湯江駅

湯江駅

長崎県諫早市高来町の三部壱（さんぶいち）地区に位置する、九州旅客鉄道（JR九州）長崎本線の駅です。かつては周辺自治体であった高来町の中心的な駅としての役割を担っていました。

運行形態

現在の運行体系において、湯江駅を発着する列車は方向によって大きく本数が異なります。長崎方面から運転される普通列車の一部は当駅で折り返し運転を行っています。一方、鳥栖方面へ向かう列車は限られており、上下合わせて9本のみの運行となっています。さらに、このうち佐賀県との県境を越えて運行されるのはわずか上下7本のみに過ぎません。このため、時間帯によっては列車の運行が5時間以上にわたって途絶えるなど、運転間隔が非常に大きく開く時間帯が存在します。

歴史

湯江駅は、1934年（昭和9年）3月24日に鉄道省の駅として開業しました。駅開設にあたっては、すでに島原鉄道に同名の「湯江駅」が存在していたため、鉄道省の要請により島原鉄道の駅は「島鉄湯江駅」へと改称されています。開業後、湯江駅では旅客営業に加えて貨物の取り扱いも行われていましたが、1972年（昭和47年）2月10日に貨物営業が廃止されました。その後、1984年（昭和59年）2月1日には手荷物扱いも廃止となり、駅の取扱業務は大幅に縮小されます。翌1985年（昭和60年）1月20日には無人駅となりました。国鉄の分割民営化に伴い、1987年（昭和62年）4月1日付で九州旅客鉄道（JR九州）の駅として引き継がれました。かつては一部の優等列車も停車していましたが、1992年（平成4年）7月15日からは特急「かもめ」が全列車当駅を通過するようになりました。ただし、2007年（平成19年）7月1日には、臨時列車として運行された特急「かもめ70周年記念号」の上り列車が特別に停車した記録があります。近年では、2022年（令和4年）9月23日付で、肥前浜駅と長崎駅間の電化設備が廃止されたことに伴い、当駅を含むこの区間は非電化区間となりました。

駅構造

地上にホームが配置された地上駅で、単式ホームが駅舎に接して1面1線、その奥に島式ホームが1面2線配置されており、合計で2面3線の線路を有しています。それぞれのホーム間は跨線橋によって連絡しています。なお、列車の運行体系としては1線スルー方式は採用されていません。駅舎は国道とは反対側の北側に位置しています。かつて、駅舎内の事務室部分にはヤマト運輸の営業所が入居しており、乗車券の販売も行われていた時期がありましたが、現在は近隣の別の場所に移転しています。現在は無人駅として運営されていますが、利用者の便宜を図るため自動券売機が設置されています。

利用状況

駅の利用状況については、2016年度の1日平均乗車人員が236人であったことが公表されています。しかし、2017年度以降の乗車人員については公表されていません。

駅周辺

駅周辺には、諫早市役所の高来支所をはじめとする公共施設や、諫早エキマエタクシーの湯江営業所などの事業所が見られます。また、セブン-イレブンやエレナ・ダイソーといった商業施設も立地しています。かつて駅舎内にあったヤマト運輸の諫早湯江営業所も近隣に移転しています。金融機関としてはたちばな信用金庫の高来支店があります。駅前には県営バスの「湯江駅前」停留所があり、諫早駅方面や小長井駅方面などへの路線バスが運行されています。古くは多良海道が付近を通っていました。

隣の駅

九州旅客鉄道（JR九州）長崎本線：
長里駅 - 湯江駅 - 小江駅

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