小長井駅

小長井駅は、長崎県諫早市小長井町小川原浦に位置する、九州旅客鉄道（JR九州）長崎本線の鉄道駅です。当駅より長崎方面はJR九州長崎支社の管轄となります（正確には隣接する土井崎信号場より）。

歴史

この駅は、1934年（昭和9年）12月1日に鉄道省長崎本線の多良駅と湯江駅の間が開通した際に一般駅として開設されました。これは現在の長崎本線が長与駅経由で全線開通した日でもあります。その後、貨物取扱は1962年（昭和37年）2月15日に、荷物扱いも1973年（昭和48年）4月1日に廃止されました。同時に無人駅となり、駅員配置がなくなりました。国鉄分割民営化に伴い、1987年（昭和62年）4月1日からはJR九州の運営に移管されています。駅舎は1989年（平成元年）3月に改築されました。

近年では、2022年（令和4年）9月23日に運行を開始した観光特急「ふたつ星4047」の停車駅となり、地域の観光拠点としての役割も担うようになりました。この日以降、当駅を含む肥前浜駅から長崎駅間の長崎本線が非電化区間となっています。

また、地域活性化の取り組みとして、2022年10月には地元の有志団体「こながい町おこし隊」によって8基の花壇が設置され、同年11月には花苗が植樹されました。さらに2023年（令和5年）2月には、同団体と諫早市立小長井小学校4年生が協力して、小長井町の特産品や観光スポットの魅力を描いた花壇アートが制作・寄贈され、駅の花壇に設置されています。

駅構造

小長井駅は地上駅で、島式ホーム1面2線を有しています。駅舎側にはホームに面していない側線が1本存在します。列車の運行は1線スルー方式ではなく、原則として左側通行で行われます。かつて乗り入れていた817系電車に対応するため、ホームの一部（2両分）がかさ上げされています。ホームと駅舎の間は屋根のない跨線橋で結ばれています。駅舎には「ハートフルこながい」という愛称が付けられています。

当駅は無人駅ですが、磁気券ではないタイプの自動券売機が設置されており、乗車券を購入することができます。

朝夕の時間帯には、当駅を始発・終着とする諫早方面行きの列車が設定されています。ただし、駅構内での折り返しができないため、これらの列車は隣接する土井崎信号場まで回送して折り返しを行います。佐賀県方面（江北方面）へ県境を越えて向かう列車は、2022年9月時点では1日8本のみと少なく、両方向ともに日中は数時間にわたって列車が運行されない時間帯があります。

なお、当駅はJR九州の車両YC1系が長崎本線で運用される際の北限となっています。当駅より先の江北方面へYC1系は乗り入れず、この区間を走行する列車はすべてキハ47形リニューアル車による運転です。

利用状況

2016年度のデータによると、1日の平均乗車人員は116人でした。2017年度以降の正確な乗車人員数は公表されていません。

駅周辺

駅前には国道207号線が通っており、沿道には少数の商店が見られます。小川原浦地区の中心集落は駅からやや北東に離れた場所に位置しています。

駅の下り線側すぐの場所には広大な有明海・諫早湾が広がっており、車窓や駅のホームから美しい海の景色を眺めることができます。駅舎のフェンス沿いには、地元有志や小学生によって制作された、小長井町の魅力が描かれた「花壇アート」が設置され、訪れる人々の目を楽しませています。

周辺には、諫早市役所小長井支所や小長井文化ホールといった公共施設、諫早市立小長井中学校、諫早市立小長井小学校などの教育機関があります。公共交通としては、駅前に県営バスの停留所があり、諫早方面へ1時間に1～2本程度のバスが運行されています。

少し足を延ばすと、山茶花高原ピクニックパーク（タクシーで約15分）や、国道207号線沿いを中心に町内に16基設置されているフルーツの形をした「フルーツバス停」があり、地域の観光名所となっています。

隣の駅

九州旅客鉄道（JR九州）長崎本線における隣の駅は、肥前大浦駅（土井崎信号場を挟む）と長里駅です。観光特急「ふたつ星4047」も当駅に停車します。

関連事項

日本の鉄道駅一覧

外部リンク

小長井駅（駅情報） - 九州旅客鉄道公式サイト
こなガイド - こながい町おこし隊による小長井町ポータルサイト
フルーツバス停 - 諫早市観光物産コンベンション協会によるフルーツバス停特集ページ

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