湯道 (映画)

映画『湯道』について

『湯道』は、2023年2月23日に公開された日本[[映画]]で、監督は鈴木雅之、主演は生田斗真が務めました。企画・脚本は「湯道」の提唱者である小山薫堂が担当し、入浴を日本の文化として捉えた独特な世界観が描かれています。

あらすじ

物語の舞台は、日本で入浴の作法を極めた「湯道」というものが、茶道や華道のように芸道として継承されているという設定です。主人公の三浦史朗は、東京で建築家として働いていましたが、実家の銭湯「まるきん温泉」を継ぐために帰郷します。銭湯は弟の悟朗が経営しており、住み込みで働く秋山いづみという若い女性もいました。

史朗は、仕事での挫折から、銭湯を廃業してマンションに建て替える計画を悟朗に打ち明けますが、大喧嘩になってしまいます。その際、ボヤ騒ぎで悟朗が負傷し、入院することになり、史朗は常連客の風呂仙人から湯沸かしを教わり、銭湯の仕事を全面的に引き受けることになります。常連客や「湯道」を習っている横山との交流を通じて、史朗は銭湯への愛情を深めていきます。

退院した悟朗は、史朗の廃業計画を受け入れますが、実は亡き父が銭湯の将来を案じて廃業を遺言していたことを明かします。兄弟は廃業に合意しますが、銭湯に強い愛着を持ついづみは家出をしてしまいます。いづみのいない銭湯はうまく回らず、困り果てた兄弟は、いづみが横山の話した「湯道」家元の「生涯最高の風呂」に興味を示していたことを知り、その風呂がある山中の茶屋を訪ねます。

そこには、高齢の女性・夙子が暮らしており、すでに廃業した茶屋には五右衛門風呂がありました。兄弟はその風呂に入ることを熱望し、許可を得て入浴しますが、水汲みから薪集めまで自分たちで行う必要がある大変なものでした。苦労の末に入った風呂は最高の体験となり、そこでいづみと再会します。実は、いづみは夙子の孫だったのです。

兄弟は、廃業まで銭湯をきちんと運営するためにいづみに戻ってきてほしいと頼みます。再開した銭湯には、有名な温泉評論家・太田与一が訪れます。銭湯を時代遅れと見下す太田に対し、史朗や常連客は銭湯への熱い思いを語りますが、太田は入浴せずに帰ってしまいます。史朗は、常連客に廃業計画を明かすものの、最終的には銭湯の継続を考え始めるところで物語は終わります。

キャスト

三浦史朗: 生田斗真。建築家で、実家の銭湯を畳んでマンションを建てようとしている。
三浦悟朗: 濱田岳。史朗の弟で、「まるきん温泉」を運営している。
秋山いづみ: 橋本環奈。「まるきん温泉」で働く看板娘で、実は夙子の孫。
横山正: 小日向文世。定年間近の郵便局員で、湯道の熱心な継承者。
小林良子: 天童よしみ。「まるきん温泉」の常連客で、歌を歌うのが趣味。竜太の母。
小林竜太: クリス・ハート。良子の息子で、出所後に「まるきん温泉」を訪れる。
高橋大作: 寺島進。「寿々屋」の店主で、ビール好き。
高橋瑛子: 戸田恵子。大作の妻で、まるきん温泉の常連客。
アドリアン: 厚切りジェイソン。日本文化に興味を持つ外国人。
山岡照幸: 浅野和之。アドリアンの婚約者の父。
堀井豊: 笹野高史。「まるきん温泉」の常連客。
堀井貴子: 吉行和子。豊の妻。
DJ FLOW: ウエンツ瑛士。風呂好きの間で有名なラジオDJ。
植野悠希: 朝日奈央。太田の編集担当。
荒井正章: 梶原善。不動産屋の店長。
鎌田一彦: 大水洋介。不動産屋の従業員。
山岡由希子: 堀内敬子。照幸の妻で紗良の母。
山岡紗良: 森カンナ。アドリアンの婚約者。
横山雅代: 藤田朋子。正の妻。
横山舞香: 生見愛瑠。正の次女。
横山冴香: 米野真織。正の長女。
太田与一: 吉田鋼太郎（特別出演）。風呂評論家。
梶斎秋: 窪田正孝（特別出演）。薫明の内弟子。
秋山夙子: 夏木マリ。僻地に住む謎の老婆で、いづみの祖母。
二之湯薫明: 角野卓造。「湯道」の家元。
風呂仙人: 柄本明。「まるきん温泉」の常連客で、実は薫明の弟。

制作スタッフ

企画・脚本: 小山薫堂
監督: 鈴木雅之
音楽: 佐藤直紀
挿入歌: 天童よしみ、クリス・ハート「上を向いて歩こう」
製作: 映画「湯道」製作委員会
配給: 東宝
* 制作プロダクション: シネバザール

スピンオフ作品

映画公開に先駆けて、Amazon Prime Videoでスピンオフドラマ『映画「湯道」アナザーストーリー「湯道への道」』が配信されました。また、スピンオフコミック『いいお湯でした。』もcomicブーストで連載されました。

作品の魅力

『湯道』は、日本の入浴文化を深く掘り下げ、人と人との繋がりや家族の温かさを描いた作品です。銭湯を舞台にした人間ドラマとして、笑いあり、感動ありの心温まる物語が展開されます。また、豪華キャスト陣の熱演も見どころの一つです。

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