満願寺 (世田谷区)

満願寺（等々力）

満願寺は、東京都世田谷区等々力に位置する真言宗智山派の仏教寺院です。静寂に包まれた境内は、訪れる人々に心の安らぎを与えてくれます。

歴史

満願寺の創建は、伝承によれば平安時代末期に遡ります。文明2年（1470年）には、吉良氏によって世田谷城の出城である兎々呂城に再興され、定栄和尚が中興開山となりました。かつては総本山としての機能も有し、常法談林所として重要な役割を果たしていました。

天文年間に深沢の兎々呂城（現在の都立園芸高校）から現在の場所に移転。江戸時代には、御朱印寺として13石の寺領を与えられました。この際、山号を「医王山」から現在の「致航山」に改め、本尊も薬師如来から金剛界大日如来へと変更されました。

講堂に安置されている一言地蔵尊は、日本三体地蔵の一つとされ、一言だけ願い事をすると叶うと言われています。また、寺には指定文化財の絵巻も所蔵されており、書の曼荼羅世界を垣間見ることができます。四季折々の花が咲き誇る瑠璃光院も、訪れる人々の心を癒す場所となっています。

伽藍

松林に囲まれた山門をくぐると、正面に本堂、右手には庫裡、左手には講堂が配置されています。本堂の右奥の池には、1990年（平成2年）に落成した大塔がそびえ立っています。

文化財

境内には、書家である細井広沢の墓（国の史跡）があります。山門の額は細井広沢、本堂の額は広沢の子である九皐の筆によるものです。細井広沢は元禄年間に柳沢吉保に重用され、晩年は玉川を愛し、蕉林庵玉川と号しました。

等々力不動尊（別院）

満願寺の別院として、関東三十六不動霊場の第17番札所である等々力不動尊があります。正式名称は瀧轟山明王院。本尊は不動明王です。

寺の言い伝えによると、不動明王像は1300年前に作られ、800年前に興教大師が夢を見て、武蔵国に不動明王像を安置する場所を探し求めていたところ、当地の豊富な水量で流れ落ちる滝を見て霊地であると悟り、不動堂を創建したのが始まりとされています。

本堂は江戸時代末期の建築で、拝殿は1952年に、山門は1968年に満願寺から移築されたものです。

等々力不動尊に隣接する等々力渓谷は、23区内では貴重な自然湧水による滝や豊かな動植物が見られるスポットとして知られています。茶屋や休憩所も設けられており、散策を楽しむことができます。

交通アクセス

満願寺
〒158-0082 東京都世田谷区等々力3-15-1
東急大井町線・等々力駅より徒歩4分（駅北側）
等々力不動尊
〒158-0082 世田谷区等々力1-22-47
東急大井町線・等々力駅より徒歩約7分（駅南側）

周辺情報

等々力渓谷
玉川神社

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