源有光

源 有光（みなもと の ありみつ）

源有光は、平安時代後期の武将で、主に大和源氏の流れをくむ柳瀬流に属する人物です。彼は伊勢守・源頼遠の次男として、摂津国物津荘で誕生し、官位は従五位下・安芸守を持ちました。さらに、彼は陸奥石川氏の第2代当主としても知られています。

生涯

源有光の若年時代について詳しい記録は残っていませんが、彼は幼少期から様々な名を持っていたことがわかっています。松千代、河内右馬之允師任、源太有光として知られ、後に柳津に住んで柳津源太を称しました。彼の武士としての活動は、父・頼遠と共に源頼義に従って陸奥国に下向した永承6年（1051年）から始まります。この遠征は、安倍氏との戦いであり、康平5年（1062年）に行われた厨川柵の戦いで父を失った後、彼は兵を率いて勝利を収めます。

この功績により、彼は従五位下安芸守に任ぜられ、奥州仙道七郡の中から石川を中心とした六十六郷の地を与えられたとされています。この記録に対して、後世の研究者である梅宮茂は、これが誤りである可能性を指摘し、素直な伝承の解釈が必要であるとしています。

当初、源有光は石川荘の泉郷の南、川辺にある保源城を本拠地としました。この地域は歴史的に賑わいのある貴重な土地であり、古代の東山道が通じていました。しかし、保源城は急勾配に囲まれた山頂に位置しており、水や交通に不便なため、政務や居住には適していなかったことが分かります。その結果、彼は南に2キロほどの中野の地に藤田城を改めて築きましたが、ここも十分ではありませんでした。

空想に基づいた伝承によると、有光は八幡神に日夜祈りを捧げながら、適切な城の場所を探していたと言われています。ある夜、彼は夢の中で三本の蘆が生えるところに清水が湧き出す光景を見て、翌日その場所を訪れることにしました。すると、高台に登った彼は、空を舞う鶴が松の小枝を落とすのを目撃します。この場所を調べると、夢と同じく三本の蘆が生えており、試しに掘ると泉が湧き出たため、有光はここに三蘆城を築きました。

三芦城が築かれた後、有光は泉郷を長男の大寺光祐に譲り、石川氏の名を名乗ることになります。これは彼の出身地である摂津国に因んだもの、又は古代の石川国造に由来するとも言われています。また、城を示す家紋として、嘴に松の小枝をくわえた鶴を採用しました。

彼の活動の一つには、陸奥国平定の際に源頼義が勧請した京都石清水八幡宮の分霊を自らの城内に移し、氏神を祀ったこともあります。この神社は現在の陸奥一之宮石都々古和気神社に繋がります。さらに、川辺の地には、洗練を重ねた川辺都々古和気神社が今も存在しています。

源有光の系譜にも言及すると、彼の父は源頼遠で、母の名は不詳です。妻は平忠良の娘であり、後に吉田兼親の娘を継室に迎えています。子供たちには、大寺光祐や源之丞（矢吹氏の祖）など、多くの後継者がいます。彼らはそれぞれ歴史に名を刻み、源家の血脈を受け継いでいきました。

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