石都々古和気神社

石都々古和気神社の概要

石都々古和気神社（いわつつこわけじんじゃ）は、福島県の石川町に所在する神社で、式内社としても知られています。また旧社格は郷社であり、陸奥国一宮と称されるなど、その重要性がうかがえます。神社の主祭神は味秬高彦根命（あじすきたかひこねのみこと）で、他にも配祀の神として大国主命（おおくにぬしのみこと）、誉田別命（ほんだわけのみこと、八幡神）が祀られています。

この神社の起源には諸説あり、元々の祭神である味秬高彦根命は、棚倉町にある都都古別神社から分祀されたとも言われていますが、その根拠は明確ではありません。

歴史

石都々古和気神社は、八幡山の頂上に位置しています。創建時期は定かではありませんが、八幡山には古代から祭祀が行われていたことが示される多くの磐境が存在します。延喜式神名帳に記載された「陸奥国白河郡 石都都古和気神社」がこの神社の初見となります。

永承6年（1051年）、源有光が源義家の安倍一族を討伐する軍に参加し、その功績により石川の地を賜りました。有光は康平6年（1063年）にこの地域に移住し、名を石川有光と改めました。彼は八幡山の東側に三芦城（石川城）を築き、そこが約500年間にわたり石川氏の居城として機能しますが、後に豊臣秀吉によって取り上げられました。また、治暦2年（1066年）には源氏の氏神である石清水八幡宮から神霊が勧請され、ここに合祀されたことが神社の重要な歴史的要素です。

境内の構造

境内には、拝殿、本殿、額殿、社務所、手水舎、そして三芦城跡の土塁が存在します。狛犬も立派で、特に「飛翔獅子」と呼ばれる一対の狛犬は、1930年（昭和5年）に石工の小林和平によって製作されました。

祭礼の実施

神社の例祭は旧暦9月19日に行われ、この日は八幡神を合祀した日でもあります。祭礼は神輿を氏子が麓の馬場町御仮屋に下ろし、7日間にわたって流鏑馬などの神事が続きます。1975年（昭和50年）に祭礼日を新暦の9月11日から15日までに改訂し、更に2003年（平成15年）には新たに9月第2土曜日に例祭式を行うことになりました。

文化財

石都々古和気神社には重要な文化財が指定されています。まず、福島県指定文化財として「鰐口」があります。これは応永30年（1423年）に石川持光が奉納した銅製のもので、1953年に指定されました。また、町指定の文化財には、狛犬や吉田光一文書も含まれており、それぞれの指定日は2016年および1991年となっています。

アクセス

JR東日本の水郡線磐城石川駅から徒歩約10分でアクセス可能ですが、境内の入口から本殿までは、山道をおよそ10分程度歩く必要があります。また、参道とは別に、自動車で本殿近くまで行く道も利用できます。

このように、石都々古和気神社はその歴史や祭礼、文化財の多様性によって、多くの人々に親しまれ続けています。

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