源致方

源 致方（みなもと の むねかた）

源致方は、平安時代中期に活躍した貴族そして歌人です。彼は宇多源氏に属し、左大臣である源重信の長男として誕生しました。官位は正四位下・右大弁と、貴族としての地位を確立していました。彼の生涯は、短命であったものの、彼の文学的な業績は後世に影響を与えています。

経歴

円融朝の天延2年（974年）には、右衛門佐に任命され、この年から彼の官職としてのキャリアが始まります。続いて、天延4年（976年）には従五位上、右少弁に叙任され、貞元2年（977年）には五位蔵人として更なる昇進を果たしました。

また、天元2年（979年）には右中弁となり、天元3年（980年）には従四位下に昇格。天元4年（981年）には権左中弁に任じられるなど、彼のキャリアは順調に進展しました。特に、寛和2年（986年）には左中弁の地位にまで昇り、さらには永延元年（987年）に右大弁に就任します。このように、源致方は弁官としての地位を確立し、貴族としての存在感を示していきました。

しかし、永延3年（989年）の3月に、源重信の死去に先立ち、致方自身も急逝してしまいます。享年は39歳という若さでした。彼の最終官位は右大弁の正四位下でした。

歌人としての活動

源致方は、負けず劣らず優れた歌人でもありました。『拾遺和歌集』においては藤原実資との連歌を残しており、また『安法法師集』にも彼の和歌が収められています。これにより、彼の歌人としての評価が高まっていったことが伺えます。

彼はまた、日記『致方記』を残しましたが、残念ながら現在ではその多くが散逸してしまっています。とはいえ、彼の歌や作品は後の年代においても注目され、平安時代の文学における重要な存在とされています。

官歴の概観

彼の官歴を見ていくと、以下のような順序で昇進していったことが確認できます：

• - 時期不詳：侍従
• - 安和3年（970年） 正月5日：右馬助
• - 天延2年（974年）11月1日：右衛門佐
• - 天延4年（976年） 5月：右少弁、日付不詳：従五位上
• - 貞元2年（977年） 2月9日：五位蔵人
• - 天元元年（978年） 日付不詳：見正五位下
• - 天元2年（979年） 2月5日：昇殿、12月2日：右中弁
• - 天元3年（980年） 正月4日：従四位下
• - 天元4年（981年） 4月3日：権左中弁、日付不詳：東大寺俗別当弁
• - 寛和2年（986年） 日付不詳：左中弁
• - 永延元年（987年） 11月11日：右大弁
• - 永延3年（989年） 3月19日：卒去（右大弁正四位下）。

家族

源致方の父は源重信（922-995）であり、母は藤原朝忠の娘です。また、妻は藤原伊尹の四女であり、前藤原忠君の室となりました。彼の家族背景もまた、平安時代の貴族社会における重要な要素といえるでしょう。

まとめ

源致方は、平安時代中期を代表する貴族歌人として、その官歴の昇進や文学活動を通じて貴族社会に多大な影響を与えました。短命ながらもその業績は記録として残り、後世に語り継がれています。

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