源長寺 (中津川市)

源長寺について

源長寺（げんちょうじ）は、岐阜県中津川市茄子川に位置する曹洞宗の寺院です。久翁山（きゅうおうざん）という山号を持ち、地域の人々から信仰を集めています。本尊として釈迦牟尼仏が安置されており、かつての旧本尊である聖観世音菩薩は、恵那三十三観音霊場の札所本尊として祀られています。源長寺は、恵那三十三観音霊場の第六番札所であり、恵那中部新四国八十八ヶ所の第七番札所としても知られています。

歴史

源長寺は、寛永2年（1625年）に長国寺の三世住持であった鸑州鷹鷟（がくしゅうおうざく）によって開山されました。長国寺の末寺として創建されたとされていますが、創建当時の詳しい文献は残っておらず、開基や設立の経緯については不明な点が多いです。

二世の沢舟運格から九世の牧童耕牛までの間、源長寺は長らく平僧地であったため、現在の歴世には数えられていません。元禄時代には寺の什器が作られ、かつて存在した梵鐘は元禄15年（1702年）に鋳造されましたが、太平洋戦争中に金属供出のため失われました。

現存する建物の中で最も古いのは本堂で、寛延4年（1751年）に落慶が行われました。棟札や奉加帳によると、本堂は破損が進んでいたため、檀家の喜捨によって修復再建されたことがわかります。庫裏は天明4年（1784年）に再建され、山門は弘化元年（1844年）に再建されました。本堂は明治43年（1910年）に改築されています。

昭和に入ってから、昭和25年（1950年）に梵鐘が新しく鋳造され、翌昭和26年（1951年）には鐘楼が新築されました。位牌堂は昭和52年（1977年）に再建されています。寺宝としては、本尊の釈迦牟尼仏の他に、旧本尊の聖観世音菩薩などが大切に奉安されています。

境内

源長寺の境内には、奥山半僧坊大権現、弁財天、天神が祀られています。また、墓地には、痔に霊験があると伝わる「トモゾウ様」という石碑が建立されています。境内には樹齢400年前後と推定される老松があり、長い歴史を感じさせます。茄子川中切にある寺居山五百羅漢は、源長寺の境内仏とされています。

参考文献

『中津川市史　中巻Ⅱ』　第五編　近世(二) 第八章　寺社　第二節　寺院　ニ　近世の寺院　源長寺　p1630～p1631　1988年
『恵那郡史』　第八篇　現代　第四十一章　人文の発展(一)　【各宗寺院】　p612～p619　恵那郡教育会　1926年


源長寺は、その長い歴史の中で、地域の人々の心の拠り所として、また文化的な遺産を伝える場所として、重要な役割を果たしてきました。訪れる人々は、静寂な境内の中で、歴史の重みを感じ、心を穏やかにすることができるでしょう。

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