準王

準王（じゅんおう）の歴史と影響

準王（じゅんおう）、または箕準（きじゅん）は、紀元前220年から紀元前195年まで在位した、箕子朝鮮の41代目の王です。彼の存在は『三国遺事』に登場します。彼の治世は、朝鮮半島における政治的な動乱と外国勢力の侵攻によって特徴づけられています。

環境と政権奪取の背景

準王は、当初、燕から亡命してきた衛満を受け入れていました。しかし、衛満は準王に取り入ると、朝鮮西部に亡命者のコミュニティを築き始めます。漢（前漢）の攻撃を受けた時、衛満は準王を守るという名目で軍を動かしました。その結果、準王は衛満との間で戦争を繰り広げることになりますが、戦況は準王にとって不利であり、『魏略』によれば「準は満と戦ったが、勝負にならなかった」とされています。これにより、準王は衛満によって国を奪われ、南に逃れて辰国で「韓王」として自立を果たしました。

箕氏の系譜と政権樹立

箕氏の系譜は以下のようになります：

• - 箕詡
• - 箕煜
• - 箕釈
• - 箕潤
• - 箕否
• - 箕準

この箕氏の中で、箕詡は紀元前323年に番朝鮮の王となり、番韓を併合しました。彼は軍を率いて番韓に侵入し、王権を確立しました。続いて、準王の時代には、燕の侵略が再び強まり、朝鮮は苦境に立たされます。紀元前194年、準王は衛満の侵攻を受け、王権を失うという運命をたどります。

南下と韓王としての自立

準王は国を失った後、南の馬韓に逃れました。『魏志』には、準王が王と名乗り、韓に住み着いたことが記されています。彼は海を越えて新たな地で生活し、自ら「韓王」と称しました。彼の子孫は、国に残り「韓氏姓」を名乗り続けました。準王一派の南下によって、朝鮮半島南部の文化が変化し、物質文化においても大きな影響を与えました。

物質文化の変遷

準王の時代には、銅器や青銅器から鉄器に移行する大きな文化的変化が見られました。特に鉄器文化の初現は、準王一派の移住によってもたらされたとされています。ローカルな文化圏である馬韓に対して、準王一派は攻撃を仕掛けることもありましたが、完全な征服には至らなかったようです。彼らの移動は、朝鮮半島を越え、新しい技術や文化の流入を引き起こしました。

主要年表

• - 紀元前323年：箕詡が番朝鮮の王となり、政治的権力を確立。
• - 紀元前290年：箕釈が王となり、燕の侵略を受ける。
• - 紀元前221年：準王が即位、しかし紀元前194年に衛満の攻撃を受け滅亡。

準王の子孫

準王の血を引く人物として、百済の官吏である答㶱春初が知られています。彼は準王の孫の血を受け継ぎ、百済に帰化し影響力を持つこととなります。

結論

準王は箕子朝鮮における重要な歴史的人物であり、彼の時代は外国勢力との闘争と、南韓への自立を背景にした複雑な歴史で成り立っています。彼の後の子孫は南での文化交流を促進し、朝鮮半島の歴史における重要な一部となったのです。

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