紀元前220年

紀元前220年は、ローマ暦における重要な年であり、執政官にはラエウィヌスとカトゥルス、スカエウォラとピロが就任しました。この年は、ローマ建国紀元534年としても知られていますが、紀元前220年という表記が中世初期以降に広く用いられるようになりました。

各地の紀年法

干支：辛巳
日本：皇紀441年、孝霊天皇71年
中国：秦 - 始皇27年
仏滅紀元：325年

主な出来事

ギリシア

ファロスのデメトリウスが、イリュリア人のスケルディライダスと共に、ローマの保護下にあるイリュリアの都市を攻撃し、海賊行為を行いました。彼らはペロポネソス半島のピュロスを攻撃しましたが、失敗に終わりました。
スケルディライダスとアイトーリア人がアカイアに侵攻し、キュナイタ人の裏切りを利用して、アルカディア北部の町キュナイタを占領しました。
ローマは第二次イリュリア戦争に介入し、イリュリアの海賊を再び打ち破りました。
デメトリウスは、ローマの影響に不満を抱くマケドニア王ピリッポス5世の庇護を求めましたが、ローマはデメトリウスの主要な港であるファロスとディミロスを占領しました。
シキュオンのアラトスは、ピリッポス5世が主導するヘラス同盟の支援を得て、アイトーリア人の侵攻に対抗しました。ヘラス同盟はコリントスに招集され、ピリッポス5世の主導でアイトーリア、スパルタ、エリスとの戦いに突入しました。
クレタ島では、ゴルテュン人がマラタを占領しました。

セレウコス朝

モロンがセレウコス朝王国の主要部を占領し、王を自称しました。これにより、アンティオコス3世はシリア北部からのエジプト遠征を断念しました。アンティオコス3世はモロンを討伐し、ティグリス川の土手で彼とその兄弟を殺害しました。その後、メディア北西部のアトロパテネ王国を征服しました。
アンティオコス3世とラオディケ2世の間に息子が誕生しました。宰相ヘルメイアスは、幼い王子の名目で王国を支配しようとしましたが、アンティオコス3世に計画が発覚し、暗殺されました。

アナトリア

アンティオコス3世の将軍アケウスは、ペルガモンのアッタロス1世が獲得した領土を回復しましたが、宰相ヘルメイアスによる讒言により、反乱を起こし、セレウコス朝のアナトリアを支配しました。

エジプト

アルシノエ3世が、兄弟であるプトレマイオス4世と結婚しました。

共和政ローマ

ケンソルのガイウス・フラミニウスの任期中に、カンプス・マルティウスにフラミニウス競技場が建設され、ローマからアリミヌム（リミニ）に至るフラミニウス街道が整備されました。
ガリア・キサルピナにクレモナとプラケンティアという植民市が建設されました。

中国

始皇帝は、中国全土を結ぶ樹状道路システムを開始し、地域ごとの防壁を繋げて万里の長城の原型を築きました。
始皇帝は、隴西と北地を巡り、鶏頭山に至り、回中を巡回しました。渭南に信宮を建て、極廟と改名し、驪山に道を通じさせ、甘泉前殿を作り、甬道で咸陽と連絡させ、馳道で天下を繋げました。

芸術

『妻を殺害し自害するガリア人族長』と呼ばれる銅像が制作されました（おおよその年代）。オリジナル像のローマ時代の模作は現在、ローマ国立博物館に保存されています。
『瀕死のガリア人ラッパ吹き』と呼ばれる銅像が(恐らくエピゴノスによって)(紀元前230年から紀元前220年)に制作されました。オリジナル像の大理石の模作は現在、カピトリーノ美術館に保存されています。

誕生

この年に生まれた人物の情報は記録されていません。

死去

サモスのコノン：古代ギリシアの数学者、天文学者。彼の円錐曲線に関する研究は、アポロニウスの『円錐曲線』の基礎となりました。
モロン：アンティオコス3世の将軍、反乱を起こしました。
ヘルメイアス：セレウコス朝の宰相。アンティオコス3世の暗殺未遂事件に関与し、暗殺されました。

この年は、各地域で政治的、軍事的、文化的な大きな動きがあった年でした。

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