溝口直治

溝口直治の生涯と業績

溝口直治（みぞぐち なおはる）は江戸時代中期の大名であり、越後国の新発田藩の第6代藩主として知られています。彼は官位として従五位下・信濃守を持ち、藩史において重要な役割を果たしました。直治は溝口重元の次男として江戸で生を受け、幼名は虎之助、後に久三郎と名乗りました。初めは重貞と称したものの、将軍世子徳川家重の「重」という字を避けて直治に改名しました。

享保元年（1716年）、彼は初めて徳川吉宗と面会し、享保3年（1719年）には父の重元が死去したことを受けて家督を継承しました。享保4年（1719年）には家督の礼として父の遺品である青江助次の太刀を将軍家に献上し、その年に従五位下・信濃守に叙任されました。

直治は享保9年（1724年）に越後蒲原郡の幕府領4万3000石を与えられ、さらなる領地を得ることで藩の財源を強化しようとしました。享保14年（1729年）には2万石増やし、享保15年（1730年）には叔父の逸見元長に1000石の年貢を付与して幕臣へとすることを認められました。

しかし、直治の治世は非常に厳しいものでした。彼は享保17年（1732年）、わずか26歳で江戸で亡くなります。法号は天真全用大機院と称され、江戸の駒込吉祥寺に彼が眠っています。彼は婚約を結んでいたものの、結婚の前に病に倒れ、その縁談は解消されました。直治には子がいなかったため、一族の旗本である溝口直道の四男・亀之助（のちの溝口直温）を迎えて家督を継がせました。

新発田藩は直治の治世中、財政的な困難に直面していました。特に水害が頻繁に発生することにより、藩の財政は深刻な影響を受けることとなり、下級藩士の召し放ちや藩士からの知行・俸禄の借り上げなど、困難を強いられました。この時期、加治川や阿賀野川の水系において大規模な治水工事が行われたことも、直治の治世を特徴づける要素のひとつです。

系譜

• - 父：溝口重元
• - 母：角（山崎定右衛門の娘）
• - 婚約者：榊原政邦の娘
• - 養子：溝口直温（溝口直道の四男）

関連項目

• - 松ヶ崎掘割

直治の短い生涯にもかかわらず、彼の治世は新発田藩において重要な転換点となり、今後の藩に多くの課題と影響を残しました。

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