溝口重元

溝口重元：越後新発田藩の学問を奨励した藩主

溝口重元（みぞぐち しげもと）は、江戸時代中期の大名であり、越後国（現在の新潟県）新発田藩の第五代藩主を務めました。官位は従五位下・伯耆守。

生涯

重元は、第四代藩主・溝口重雄の長男として新発田で生まれました。幼名は久三郎。初めは宣盛（のぶもり）と名乗っていましたが、後に重元と改名しました。これは、当時の将軍世子であった徳川家宣の「宣」の字を避けたためとされています。

元禄2年（1689年）、重元は第五代将軍・徳川綱吉に初めて御目見えしました。元禄7年（1694年）には、従五位下・伯耆守に叙任されました。宝永3年（1706年）、父・重雄の隠居により家督を継ぎ、新発田藩の藩主となりました。

藩主として重元は、学問と武芸の奨励に力を注ぎました。正徳5年（1715年）には、伊藤仁斎の門人である緒方維純を召し抱え、家中の者に講釈をさせました。また同年、国元へ下向する際には、甲州流軍学者の川西隆直を伴い、翌年から家中に稽古を付けさせるなど、藩士の教育に尽力しました。

享保3年11月21日（1719年1月11日）、重元は江戸において39歳で死去しました。跡は次男の直治が継ぎました。法号は智應道海陽元院（陽元院殿前伯州大守智應道海大居士とも）。墓所は江戸駒込の吉祥寺にあります。

系譜

父：溝口重雄
母：よつ、智光院 - 三木氏（三枝氏とも）の娘
正室：前田佐野、実相院 - 前田利明の娘、死別
継室：誠姫 - まさ、中院通躬の娘
側室：角、信号院 - 山崎定右衛門（藩士）の娘
子
長男： - 早世
次男：溝口直治
* 長女：まん - 早世

溝口重元は、短い生涯ではありましたが、藩の文化水準の向上に大きく貢献した藩主として知られています。

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