滋野井公澄

滋野井公澄

滋野井公澄（しげのい きんすみ）は、江戸時代中期の公卿であり、有職故実の研究者としても知られています。高倉永敦の末子として生まれ、後に滋野井実光の養子となりました。初名は兼成、号は五松軒、法号は良覚。

生涯

天和元年（1681年）に滋野井実光の養子となり、貞享3年（1686年）に元服。従五位上侍従に叙せられます。翌年、養父の死去により家督を継ぎ、元禄元年（1688年）に公澄と改名しました。

宝永元年（1704年）には参議に任じられ、翌年には従三位に叙せられます。霊元上皇の院評定衆を6年（1704年）から享保9年（1724年）まで務め、院政を支えました。享保5年（1720年）には権大納言に任じられ、享保9年（1724年）には正二位に昇進するなど、順調に昇進を重ねています。享保16年（1731年）に出家しましたが、4年後に嫡男の実全が急逝したため、その遺児である公麗の養育にあたりました。

有職故実の分野では、吉見和幸に師事し、東園基量、平松時方、野宮定基と共に「有職四天王」と称されました。元禄3年（1690年）から享保6年（1721年）にかけての日記『公澄卿記』26巻をはじめ、『羽林類葉抄』、『松蔭拾葉』、『簾中装束抄』など、多数の著書を残しています。これらの著作は、当時の宮廷文化や有職故実を知る上で貴重な資料となっています。

系譜

父：高倉永敦
母：不詳
養父：滋野井実光
妻：甘露寺方長の娘
男子：滋野井実全（1700-1735）
男子：正親町三条実彦（1703-1725）
生母不詳の子女
女子：堀河冬輔室
女子：滋野井直子（京極宮文仁親王室）

関連事項

滋野井家
* 高倉家

滋野井公澄は、公卿としての活動に加え、有職故実の研究者、著述家としても多大な功績を残しました。その業績は、江戸時代の宮廷文化や有職故実の研究に大きく貢献しています。

もう一度検索