高倉家

高倉家：悠久の歴史と伝統を紡ぐ公家・華族

高倉家は、藤原氏北家の一流である藤原長良を祖とする名家です。代々朝廷に仕え、平安時代から明治時代へと続く歴史の中で、日本の文化に貢献してきました。

系譜と家格

その起源は、平安時代初期の左大臣藤原冬嗣の系統に遡ります。藤原長良の六男である藤原清経を祖とし、幾多の世代を経て、南北朝時代に高倉永季が参議に任ぜられ、高倉家を名乗るようになりました。その後、永季の子孫は代々公卿に登用され、6世孫にあたる永家が権大納言に昇進した後は、権大納言が家系の最高位となりました。

公家としての家格は半家、旧家、内々に分類され、朝廷の装束の管理と製作を家職として担っていました。これは、高倉家の歴史における重要な役割の一つであり、日本の伝統文化の継承に大きく貢献しました。

江戸時代と明治維新

江戸時代には、812石の家禄を有し、京都二階町東側に屋敷を構えていました。家臣団も存在し、長野家、上田家、栗津家、木崎家などといった家系が仕えていました。黒谷浄源院を高倉家の菩提寺としていました。

江戸時代中期には、高倉永秀が尊皇思想を抱き、竹内式部の垂加神道を支持しました。しかし、宝暦事件に巻き込まれ、幕府の弾圧を受けて落飾しました。明治維新後、その尊皇の功績が認められ、明治天皇より従二位を追贈されています。

幕末の当主、永祜は戊辰戦争において、東征軍の要職を歴任しました。北陸道鎮撫総督、会津征討総督、奥羽征討越後口総督などを務めた後、慶応4年(1868年)に越後高田で病没しました。

明治維新後、華族制度が導入されると、高倉家は旧公家として華族に列せられました。明治17年(1884年)には、華族令により子爵に叙せられ、永則が子爵位を継承しました。永則は陸軍大佐として日露戦争に従軍し、戦功により功4級金鵄勲章を受賞。その後、貴族院議員にも当選しています。

文化遺産の継承

高倉家に伝わる貴重な古文書、典籍、装束などは、現在、有職文化研究所（旧高倉文化研究所）に所蔵され、大切に保管されています。同研究所は、高倉家の伝統文化の継承と普及に尽力しています。

まとめ

高倉家は、平安時代から明治時代まで、日本の歴史の重要な舞台で活躍した名家です。朝廷への献身、装束の管理、そして尊皇思想など、その歴史は多岐に渡り、日本の文化に多大な貢献を果たしました。現在も、その伝統と文化遺産は有職文化研究所によって継承され、日本の歴史と文化を語る上で欠かせない存在となっています。

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