滝川一時

滝川 一時（たきがわ かずとき / いちとき）

滝川一時は、戦国時代から江戸時代にかけて活躍した武将であり、彼の人生は多くの歴史的出来事に深く関わっています。彼は永禄11年（1568年）、滝川一益の次男として生まれました。幼少期からその才覚を発揮し、織田信長に仕官しました。彼は伊勢亀山や近江甲賀郡に所領を持ち、信長の信任を受ける武将となったのです。

織田信長への仕官と早期の活躍

彼の軍歴の中で、特に印象的なのは天正10年（1582年）の本能寺の変の際の出来事でしょう。父の一益が関東から逃げ帰った後、彼は羽柴秀吉と対立しました。しかし、その後の賤ヶ岳の戦いで、おそらく彼の意志に反して、柴田勝家や織田信孝と共に敗北を喫し、父と共に秀吉に降伏し、所領を喪いました。この一連の出来事は、彼の運命を大きく変えることになりました。

小牧・長久手の戦いと新たな所領

天正12年（1584年）には、小牧・長久手の戦いで秀吉方として従軍しますが、蟹江城合戦で徳川家康・織田信雄連合軍に敗北する結果となりました。秀吉からは、参戦の恩賞として12,000石の所領が宛てがう旨の判物が与えられましたが、彼自身は豊臣秀長に預けられることとなりました。この時期、兄の一忠は敗戦の責任を問われて追放されています。

徳川家との関係

その後、天正20年（1592年）には富田一白を通じて、家康から秀吉に譲渡の申し入れが行われ、文禄2年（1593年）には徳川家から千二百石の土地を受け取ります。このように、彼は徳川家とも関係を持つようになり、慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いには家康本隊の一員として参加しました。

最晩年と死去

慶長7年（1602年）からは徳川秀忠に仕官しますが、運命は彼に試練を与えました。慶長8年（1603年）には病により36歳でこの世を去ってしまいます。秀忠は彼を見舞おうとしましたが、その道中で訃報を聞いて戻り、存命だった勇者の息子にきちんと扶助をすることができなかったことを非常に残念に思ったと伝えられています。

家族と家督相続

一時の家督は、彼が亡くなった時にわずか2歳の息子、一乗に継がれましたが、兄一忠の子、一積が名代として立てられました。このように、滝川一時は短い生涯ではありましたが、戦国時代と江戸時代の移り変わりの中でその存在感を発揮しました。彼の事跡は、後の歴史に大きな影響を与えた武将たちと同様に、今なお語り継がれています。

参考文献

• - 堀田正敦 編「国立国会図書館デジタルコレクション 紀姓　瀧川氏」『寛政重修諸家譜 第4輯』 649巻、國民圖書、1812年。

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