漁具

漁具とは

漁具とは、人間が漁業を中心とした漁撈活動において使用する道具の総称です。その歴史は古く、先史時代の遺跡からも銛や釣り針といったシンプルな漁具が出土しています。時代とともに、漁具はより複雑で効率的なものへと進化を遂げ、漁網や漁業機械などが開発されてきました。

しかし、新しい漁具の開発は、魚介類の乱獲を引き起こす可能性も孕んでいます。特にプラスチック製の漁具は、流出や放置、不適切な廃棄によって海洋ごみ問題を引き起こし、マイクロプラスチックの発生源にもなっています。現在、これらの問題に対処するために、漁具の回収やリサイクルが試みられています。

漁具の種類

漁具は、その用途や形状によって様々な種類に分類されます。代表的なものを以下に紹介します。

漁網

漁網は、網漁で使用される漁具であり、その種類は多岐にわたります。詳細については、専門の項目を参照してください。

釣り具

釣りで使用される漁具は、釣り竿、釣り針、浮き、錘、釣り糸、餌などがあります。これらは「釣りの六物」と呼ばれています。さらに、ルアーやリールなども釣り具として広く使用されています。

刺突漁具

刺突漁具は、水中を移動する魚類やクジラなどを直接刺して捕獲するための道具です。簎（やす）、鉤（かぎ）、銛（もり）などが代表的です。

陥穽漁具

陥穽漁具は、魚類の習性や生態を利用して、仕掛けに誘導して捕獲するための漁具です。筌（うけ）、梁（やな）、魞（えり）、籠、モンドリ、蛸壺、石干見などがあります。

漁業機器

漁業機器は、機械化された高性能漁船に装備される機器です。魚群探知機や集魚灯などが代表的です。

は具

は具は、岩場の貝類などを採捕する際に用いられる熊手などの金具です。地域によっては、都道府県漁業調整規則によって使用が制限される場合があります。

漁具と環境問題

漁具、特にプラスチック製の漁具による海洋汚染は、深刻な問題となっています。流出した漁具が海洋生物に絡まったり、マイクロプラスチックとなって生態系に影響を与えたりする事例が多数報告されています。このため、漁具の適切な管理や回収、リサイクルが重要となっています。

その他の関連情報

漁業、漁撈

漁業や漁撈は、漁具を用いて水産動植物を捕獲・採取する活動です。漁師は、これらの活動を行う専門家です。

関連する道具

インディアン水車: 水流を利用して魚を捕獲する装置。
毒もみ: 毒を利用して魚を捕獲する方法。
ダイナマイト漁: 爆薬を利用して魚を捕獲する方法（違法行為）。
ウェットスーツ: 地域によっては漁業調整規則で漁具として扱われる場合がある。
ストリンガー: 釣った魚を水中で保持するための道具。
クーラーボックス: 魚を〆た後に持ち帰るための保冷箱。

外部リンク

都道府県漁業調整規則で定められている遊漁で使用できる漁具・漁法（海面のみ）
漁業の民具 - 東浦町

まとめ

漁具は、漁業に不可欠な道具であり、その種類は多岐にわたります。しかし、その進化とともに、乱獲や海洋汚染といった問題も引き起こしています。持続可能な漁業のためには、漁具の適切な使用と管理が不可欠です。

もう一度検索