鉤

「鉤（かぎ、こ、こう、はり、ち、はぜ、つる）」は、先端が曲がった棒状の、主に金属製の器具を指します。この曲がった部分を何かに引っ掛けて使用することから、「フック」とも呼ばれます。

主に「かぎ」と読まれますが、分野によっては異なる読み方をすることもあります。

「かぎ」と読む例

手術用器具: 組織を引っ掛けて牽引するために使用されます。
漁具: 魚や貝などを捕獲する際に用いられます。
武器: 長い柄の先に曲がった部分があり、敵を引っ掛けるために使用されることがあります。
鉤縄: 先端に鉤を結びつけた縄。
鉤針: 編み物に使用する、先端が曲がった針。
鉤爪: 肉食獣などが持つ、細長く湾曲した爪。道具ではありませんが、形状が鉤に似ています。

「はり」と読む例

釣り針: 古くは「ち」とも読まれていました。

「つる」と読む例

丸太を移動させる道具: 丸太を引っ掛けて移動させるために使用します。

その他の読み方・用法

簾を巻き上げる道具: 簾を巻き上げて掛けておくために使用する道具で、「こ」と読みます。
はぜ: 板金を接続する際に折り曲げる部分を指し、「はぜ」と読みます。馳とも書きます。
鈎: 中国武術で使用される武器で、「こう」またはピン音読みで「ゴウ（Gou）」と読みます。

鉤の形状にちなんだ名称

鉤十字: 四方の先端が曲がった十字型で、ナチ党のシンボルマークであるハーケンクロイツとして知られています。
鉤括弧: 「」のような形状の括弧で、日本語の引用符などに使用されます。
亅: 漢字の筆画の一種で、鉤と書く場合は「こう」と読みます。部首としては亅部に分類されます。
海馬鉤: 大脳の一部である海馬傍回の前端に位置する、鉤状に湾曲した部分を指し、「かいばこう」と読みます。
鋳造鉤: 義歯の維持装置として、鋳造によって製作されたものを指します。ワイヤーを屈曲させて製作したものは「線鉤」と呼ばれます。

関連項目

「鉤」で始まるページの一覧
鳶口: 先端に鉤が付いた棒で、消防活動や漁業などで使用されます。英語ではPickaroon、Pike poleと呼ばれます。

外部リンク

鉤(カギ)とは - コトバンク
鉤とは - 歴史民俗用語 Weblio辞書

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