漁場

漁場（ぎょじょう）とは

漁場とは、漁業において水産物を획득하는 곳を指します。漁業は大きく「海面」（海）と「内水面」（河川・湖沼）に区分されます。

漁場の多様性

漁獲対象となる魚類や貝類などの生態によって漁場は異なり、それぞれの場所に適した漁具や漁法が用いられます。伝統的な漁法では、地域の材料を用いた漁具が使われ、資源の生態と漁業の規模が調和していました。しかし、漁船の動力化や合成繊維の網の普及など漁業技術の向上、人口増加、漁獲物の流通網の整備などに伴い、水産資源の乱獲や自然環境の悪化が懸念されるようになりました。

漁場の保全と資源管理

漁場の保全と水産資源の乱獲防止のため、漁業法や水産資源保護法などの法的な規制が設けられています。近年では、稚魚を放流する栽培[[漁業]]への転換や、漁場水域をブロック分けして資源を再生産するなど、安定的な水産資源の確保に向けた取り組みが行われています。

世界三大漁場

特に漁獲量の多い優良な漁場として、以下の3つが世界三大漁場として知られています。これらの漁場は、大陸棚や寒流と暖流がぶつかる潮目があり、プランクトンの繁殖が盛んなため、豊かな漁業資源を誇ります。

1. 北東大西洋海域：アイスランド・イギリス・ノルウェー近海（東グリーンランド西洋海流の影響）
2. 北西大西洋海域：アメリカ・カナダ東海岸（グランドバンク）（ラブラドル海流、メキシコ湾流の影響）
3. 北西太平洋海域：釧路沖、三陸沖、常磐沖、オホーツク[[海]]（親潮、黒潮の影響）

これらの漁場は、海棲生物を食べる食文化を持つ人口が多いことや、漁法や漁船の近代化などの要因も重なり、消費地としても重要な役割を果たしています。

持続的漁獲量と一次生産量

沿岸海域の生態系から持続的に得られる漁獲量を決定する要因として、ボトムアップ過程とトップダウン過程が考えられています。

ボトムアップ過程：海域に供給される栄養塩量が多いと植物プランクトン量が増え、それが高次の栄養段階に転送され、持続的漁獲量も大きくなるという過程。
トップダウン過程：高次の捕食者側を中心として、捕食や漁獲の影響によって持続的漁獲量が決まるという過程。

Ware & Thomson(2005)の研究によれば、沿岸海域の定在性魚類の生産量は、広い海域から小海域まで、ボトムアップ過程に依存することが示されています。つまり、海域表層に供給される栄養塩量や植物プランクトン量が、持続的な漁獲可能量を決定する重要な要素であることが確認されています。

関連項目

漁業
漁
漁撈
魚類
貝類
魚介類
川
湖
海
大陸棚

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