漢語水平考試

漢語水平考試（HSK）とは

漢語水平考試（Hanyu Shuiping Kaoshi、略称：HSK）は、中国教育部が認定する国際的な中国語の語学検定試験です。中国語を母語としない学習者（外国人、華僑、中国国内の少数民族を含む）を対象としており、その中国語能力を評価します。

HSKの概要

1984年に北京語言大学で開発が始まり、1992年に中国国内で国家レベルのテストとして正式に実施されました。2005年には150以上の国と地域で実施される国際的な資格となり、世界中で中国語能力の証明として認められています。

HSKは、ヨーロッパ言語共通参照枠（CEFR）に準拠しており、受験者の中国語レベルを国際的な基準で測ることが可能です。

試験の種類

中国教育部中外語言交流合作中心は、様々なレベルと目的別の試験を実施しています。

HSK - 筆記試験：総合的な中国語能力を測ります。
HSKK - 口頭試験：中国語での会話能力を評価します。
YCT - 子供向け：HSK3級以下のレベルの子供を対象としています。
BCT - ビジネス向け：ビジネスシーンでの中国語運用能力を評価します。
CTCSOL - 中国語教育者向け：中国語教師の資格として活用できます。

HSKの活用

HSKの成績は、様々な場面で活用できます。

就労ビザ：中国での就労ビザ取得の際のランク付け基準として採用されています。
通訳案内士試験：HSK6級180点以上で、中国語筆記試験が免除されます。
大学入試：東京大学の推薦入試など、語学力の証明書として認められています。
* 中国留学：中国の大学への留学の際、入学基準として必要な場合があります（HSK4級または5級）。

試験形式

HSKは2010年にリニューアルされ、以降の試験は「新HSK」と呼ばれています。試験は筆記試験とネット試験（パソコン形式）があります。

筆記試験

日本国内では、日本青少年育成協会HSK日本実施委員会とアジア国際交流奨学財団が運営しています。毎月開催され、全国47都道府県で受験可能です。

ネット試験

2012年7月から、全国10箇所以上の会場で実施されています。HSK/YCT試験日本事務局が運営し、HSKの他にHSKK、YCT、BCTも受験できます。

他の中国語検定との違い

HSKは、コミュニケーション能力を重視した試験であり、より実践的な中国語能力が求められます。一方、中国語検定は、中国語の知識や翻訳能力を問う問題が出題されます。

試験内容

HSKは1級から6級まであり、級が上がるほど難易度が高くなります。試験は、リスニング、読解、作文の3つのパートで構成され、総得点の6割以上で合格となります。5級と6級には合否判定がなく、点数のみが開示されます。

語彙リスト

HSKの各級に対応した語彙リストが公式サイトで公開されています。1級から6級までの合計で5000語が収録されています。

CEFRとの対応関係

HSKの運営側は、各級がCEFRの各レベルに対応していると主張していますが、一部の中国語教育機関からは、HSK6級はCEFRのB2レベル相当であるという意見も出ています。

口頭試験（HSKK）

HSKKは、HSKとは別の試験として実施されます。HSKKも総得点の6割以上で合格となります。

新形式について

2020年以降に新形式への改訂が予定されています。リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4技能に加え、翻訳も評価対象となる予定です。また、HSK6級より上位の7～9級試験が2022年より開始されました。

2010年までのテスト形式

以前は1級から11級までの級があり、基礎、初中等、高等という3つの出題形式がありました。中国の大学への入学には、学科によって3級から8級が必要とされていました。

まとめ

HSKは、中国語学習者にとって、自身の中国語能力を測る上で非常に有効な試験です。留学、就職など、様々な目標達成のために、HSKを活用してみてはいかがでしょうか。

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