漫画ばんがいち

漫画ばんがいち

『漫画ばんがいち』は、コアマガジンが発行していた美少女漫画雑誌です。1992年にヤクザ漫画雑誌『漫画極道』として創刊後、大胆な方向転換を経て美少女漫画雑誌となり、2016年からはWebコミック『web漫画ばんがいち』として配信されました。

創刊から美少女漫画への転換

1992年、『漫画極道』として産声を上げたこの雑誌は、オフィスエルプスの編集、白夜書房の発売で、当初は『パチンカーワールド』の増刊扱いでした。しかし、誌名が問題視され、すぐに『漫画 番外地』へと改名。この頃は、劇画から4コマ漫画まで、ほぼ全ての作品がヤクザをモチーフにしていました。読者参加型のコーナー「ザ・アニキ」では、町の若衆頭的な人物に編集部がインタビューを行っていました。

1993年4月号で、雑誌は突然美少女漫画へと大きく舵を切ります。この際、誌名も『漫画ばんがいち』に変更され、編集もオフィスエルプスから『漫画ホットミルク』編集部へと移管。以降、休刊まで野沢智哉氏が編集長を務めました。野沢氏は「来素果森」名義でプロ野球コラムも執筆していました。

コンビニ向け成人漫画雑誌としての隆盛

1995年5月号からは、発行元が白夜書房からコアマガジンへと変更。初期は『漫画ホットミルク』のコンビニ版という位置づけでしたが、秋葉凪樹、船堀斉晃、アップルトン、鬼魔あづさ、太田虎一郎、尾崎未来、才谷ウメタロウなどの若手作家が台頭し、1990年代後半には『COMIC快楽天』と並ぶ、コンビニ向け成人向け漫画の代表的な雑誌として名を馳せました。

しかし、アップルトンの急逝、秋葉凪樹の活動休止、船堀斉晃、鬼魔あづさ、才谷ウメタロウの一般青年誌進出などにより、執筆陣は徐々に弱体化。『COMIC快楽天』に大きく差をつけられることになります。

ティーンズラブ路線への模索と衰退

2000年代に入ると、『コミックメガストア』のハードコア劇画路線とは対照的に、後藤晶、江戸屋ぽち、谷村まりか、小宮裕太、河合二葉といった女性作家を中心に、男性向けティーンズラブ路線を模索しましたが、次第に衰退していきました。2001年6月には雑誌協会の申し合わせにより、月号表示が変更され、17日に2ヶ月先の号が発売されるようになりました。

2007年8月には、『漫画ばんがいち』の増刊として『コミックホットミルク』が創刊。2012年7月には、『コミックメガミルク』の休刊により、『漫画ホットミルク』系統が消滅したため、一時的に作家陣の受け皿となりました。この時期には、劇画系の表紙イラストも登場し、コンセプトが迷走する時期もありました。

販売形態の変更とWebコミックへの移行

2013年、発売日が奇数月の17日へと変更され、冊子の仕様も平綴じから無線綴じへと変更されました。また、成人マークが付けられ、コンビニエンスストアでの販売から、とらのあなやメロンブックスといった書店での販売へと切り替わりました。表紙イラストも劇画系の誉にほぼ固定化されましたが、ハードコア系の作家は『コミックメガストアDEEP』などへと再配転されました。

2016年9月号をもって紙媒体での発行を終了し、Webコミックへと移行することが発表されました。同年9月30日には「web漫画ばんがいち」Vol.1の配信がDMM.R18にて開始されました。しかし、2018年12月31日に配信されたVol.28をもって「web漫画ばんがいち」も休刊となり、25年の歴史に幕を閉じました。

関連情報

• - 漫画ホットミルク: 『漫画ばんがいち』の母体となった雑誌で、二代目編集長の野沢智哉が編集長を兼務していました。
• - COMICポプリクラブ: 女性作家の割合が高かったことから、購読者層が共通しており、『漫画ばんがいち』と両方に作品を発表している作家もいました。

外部リンク

• - 漫画ばんがいち (このリンクは例です。実際には公式サイトが存在しません。)

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