澤簡徳

澤簡徳の生涯

澤簡徳（さわ かんとく）は、文政13年9月5日（1830年10月21日）に武蔵国江戸四谷仲殿町で生まれ、明治36年（1903年）10月12日に没した、幕末から明治期にかけて活躍した人物です。旗本・澤勝之丞幸得の子として生まれ、幼名は幸良、通称は勘七郎、旧名は蔵六と名乗っていました。澤家は600石の禄高を持つ家柄で、その遠祖は源義家であると伝えられています。

幕末の活躍

簡徳は、砲術家である井上左太夫に師事し、砲術の研究に励みました。その後、鉄砲玉薬奉行、徒歩頭、講武所頭取、目付などを歴任し、文久3年（1863年）には講武所奉行並に就任、武家官位である「左近将監」を名乗るようになりました。外国奉行も三度務めましたが、幕府の嫌疑を受け、一時罷免され閉門を命じられるなど、波乱に満ちた時期もありました。

明治維新後の転身

明治維新後、簡徳は勝海舟らの誘いを受け、明治政府に出仕することになります。明治元年（1869年）には徴士刑法官判事試補に任官し、その後、刑部権大丞、神祇少祐などを歴任しました。1873年には福岡県権令に就任し、その後若松県令も務めました。県令を辞任した後は、五等判事に任ぜられ、大審院詰や大阪裁判所在勤などを務めましたが、1877年に廃官となりました。

地方行政への貢献

その後、簡徳は東京府第四大区区長、神田区長を歴任し、地方行政に貢献しました。神田区長時代には、日本橋区、牛込区、下谷区などの区長を兼務したこともありました。1891年まで神田区長を務め、その功績が認められ藍綬褒章を授与されています。

晩年と功績

1891年、簡徳は貴族院議員に勅選され、死去するまで在任しました。地方自治発展への貢献は大きく、その功績は多方面にわたりました。 墓所は青山霊園にあります。

親族

簡徳の子息には、大日本帝国海軍少将の澤良澳がいます。また、二女の覚は歌人として知られる清岡公張の妻であり、庶子には岡田猛熊の弟の妻となったと代、原川慶作の妻となった福がいます。娘の美子は医師の緑川興功の妻で、その娘である章は大槻茂雄の妻となりました。簡徳の血筋は、多くの分野で活躍する人々へと受け継がれています。

まとめ

澤簡徳は、幕末の動乱期から明治維新、そして近代国家の形成期にかけて、様々な役割を担った人物です。その足跡は、日本の歴史における重要な一コマとして、今も語り継がれています。

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