瀧本

瀧本株式会社：学生服業界における独自の歩み

瀧本株式会社は、大阪府東大阪市に本社を構える、学生服を中心とした衣料品販売企業です。同社は、岡山市に本社を置くトンボ学生服の子会社であり、特に「スクールタイガー」ブランドの学生服で広く知られています。学生服業界の大手4社（トンボ、菅公学生服、明石スクールユニフォームカンパニー）の一角を担う企業でありながら、そのルーツや経営戦略には独自の特色があります。

歴史とブランド

瀧本株式会社の歴史は、1925年に瀧本合名会社として発足したことに始まります。1930年には、基幹ブランドとなる「スクールタイガー」を設立。1948年に組織を改編し、現在の瀧本株式会社に至ります。同社は、長年にわたり手塚治虫氏を起用したテレビCMを放映していたことでも有名です。手塚氏の「大志を抱いて、立派に成長して欲しい」というメッセージは、没後20年近く経つ今もなお、多くの人々に影響を与えています。また、過去には富田靖子さんなど、人気アイドルもCMに起用していました。

事業の変遷とブランド戦略

かつては公立中学校や高校を中心に強みを持っていましたが、少子化の影響もあり、基幹ブランド「スクールタイガー」は縮小傾向にあります。その一方で、コシノヒロコやベネトンといった有名デザイナーを起用した製品の割合を増やし、新たなブランド戦略を展開しています。

2019年5月には、株式譲渡により親会社が日鉄物産から株式会社トンボに変更されました。同業の学生服メーカーが親会社となりましたが、瀧本ブランドは継続されています。

事業所とブランド

瀧本株式会社は、大阪府東大阪市に本社を置き、東京支社のほか、北海道、仙台、名古屋、広島、福岡など、全国主要都市に7つの支店を展開しています。

主な取り扱いブランドとしては、学生服の「スクールタイガーα」、デザイナーズブランドの「UNITED COLORS of BENETTON」「HIROKO KOSHINO」などがあります。また、体操服ブランドとして「タイガースポーツウェア」なども展開しています。

学生服業界の背景と瀧本株式会社の独自性

学生服メーカーの多くは、かつて綿花の生産地であり足袋製造が盛んだった岡山県倉敷市の児島地区にルーツを持っています。しかし、瀧本株式会社は大阪府東大阪市で誕生した企業であり、その点で異彩を放っています。特に昭和30年代は、学生服の需要が旺盛な時代でした。

繊維メーカーの東レと倉敷紡績（クラボウ）が系列を組み、傘下に岡山県に本社を置く学生服メーカーが多数存在しましたが、瀧本株式会社はこれらの系列に入ることなく、独自の経営を続けてきました。現在でも、学生服の約8割は岡山県に本社を置くメーカーが製造していますが、その中で瀧本株式会社は独自の地位を築いています。

業界全体では、トンボが「Olive des Olive」や「ヒロミチナカノ」、菅公学生服が「ELLE」を採用するなど、ブランド化が進んでいます。瀧本株式会社も有名デザイナーの起用など、ブランド戦略に力を入れています。

瀧本株式会社は、学生服業界の中で、独自の歴史とブランド戦略を持つ企業として、今後もその動向が注目されます。



瀧本株式会社 ホームページ
お散歩Photo Album（過去に存在していた学生服メーカーのホーロー看板を集めたもの）

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