瀬戸川用水

瀬戸川用水

概要

瀬戸川用水は、岐阜県飛騨市（旧吉城郡古川町）を流れる用水路で、地元では「瀬戸川」とも呼ばれています。この用水は、岐阜県内において本巣市の席田用水と共に、「疏水百選」に選ばれるほどの重要な水路です。

地理

瀬戸川用水は、増島城址に近い場所、具体的には飛騨市古川町壱之町と同市古川町殿町の境界付近で、荒城川から分岐しています。そこから流れ、同市古川町沼町で宮川に合流します。用水路沿いには、白壁の土蔵や寺社の石垣が残り、かつての城下町の雰囲気を今に伝えています。この風情ある景観は、飛騨古川を代表する観光地の一つとなっています。

かつては清流で、イワナが生息していたという記録も残っています。昭和30年代までは、地域住民の飲料水、生活用水、そして農業用水として利用されていましたが、現在では主に防火用水や流雪溝としての役割を担っています。また、1968年（昭和43年）には、ゴミの投棄を減らす目的でコイが放流されました。このコイは冬を越すために別の場所へ移動される「コイの引越し」という行事が、地域の風物詩となっています。

沿革

瀬戸川用水の歴史は安土桃山時代に遡ります。福全寺の住職であった快存上人の進言を受け、当時の飛騨高山藩主・金森可重が、増島城の濠を延長し、開田のための用水路として整備したのが始まりです。建設当初は「堀川」と呼ばれていましたが、工事の世話役であった瀬戸屋源兵衛の名前にちなんで、「瀬戸川」と改称されました。

1585年（天正13年）：増島城主・金森可重の命により、堀川（後の瀬戸川用水）が築造。
1968年（昭和43年）：地域美化運動の一環として、瀬戸川用水の清掃活動が開始。
1986年（昭和61年）：「岐阜県の名水50選」に選定。
2006年（平成18年）：「疏水百選」に選定。

アクセス

瀬戸川用水へは、東海旅客鉄道（JR東海）高山本線の飛騨古川駅から徒歩約5分でアクセス可能です。

流域の自治体

岐阜県飛騨市

外部リンク

農林水産省

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