吉城郡

吉城郡の概要

吉城郡（よしきぐん）は、かつて岐阜県に存在した郡で、飛騨国に位置していました。この郡は1879年に行政区画として発足し、当初は飛騨市の全域と高山市の一部を含む範囲となっていました。

郡域の詳細

当初の吉城郡の領域は次のように構成されていました。飛騨市全域、さらに高山市の国府町・上宝町、奥飛騨温泉郷の一部などが含まれていました。歴史的には、初めは荒城郡と称されましたが、「荒」の字を好まれず、吉城郡に改名されたとされています。戦国時代には「荒城郡」も併用されていたと考えられています。

歴史的背景

天正13年（1585年）、羽柴秀吉の命令により飛驒が征服された際、金森長近は古川盆地の中央に増島城を築き、城下町を形成しました。後に彼は高山城に移転し、増島城は壊されましたが、城下町は江戸時代を通じて商業の中心地として栄えました。

明治以降の変遷

明治の初めには、吉城郡はすべて飛騨郡代の管轄下にありました。1871年には筑摩県に、1876年には岐阜県に属するようになりました。1879年には郡区町村編制法に基づき、吉城郡が正式に発足し、大野・益田郡と一緒に管轄されることになりました。

その後の町村制施行に伴い、いくつかの町村が整理・統合され、1889年には古川町（現在の飛騨市）や国府村（現・高山市）、さらには数村が設立されました。この時期、佐賀町や阿曽布村、上宝村などが設置され、地域の行政が整備されていきました。

郡役所と郡制の施行

1897年には郡制が施行され、郡役所は古川町に設置されました。しかし、1923年の郡会の廃止を経ても郡役所は存続し続けましたが、1926年には郡役所が廃止され、以降は飛騨支庁が設置されることになります。

昭和に入り、1950年には神岡町の発足、そして1956年に古川町・細江村・小鷹村が統合され再度古川町として成立しました。さらに1964年には国府村が町制を施行し「国府町」となります。

消滅とその後

20世紀に入ると、様々な合併が行われ、2004年に古川町・河合村・宮川村・神岡町が合併し飛騨市が発足。これにより、吉城郡はついに郡としての機能を失い、消滅しました。2005年には国府町と上宝村が高山市に編入され、吉城郡は完全に歴史の一部として残りました。

結論

吉城郡は、岐阜県の中で多くの歴史的出来事や地方自治の変遷を経てきた地域です。現在は一つの郡としての形はなくなりましたが、その足跡は地域の文化や住民の生活に深く根付いています。

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