瀬戸石駅

瀬戸石駅について

瀬戸石駅（せといしえき）は、熊本県八代市坂本町に位置する、九州旅客鉄道（JR九州）肥薩線の駅です。山あいの静かな場所にあり、自然に囲まれた駅として知られています。

歴史

この駅は1910年（明治43年）に鹿児島本線の駅として開業しました。その後、1927年（昭和2年）に鹿児島本線のルート変更に伴い、肥薩線に所属する駅となりました。開業当初は貨物の取り扱いも行っていましたが、1962年（昭和37年）に廃止されています。

瀬戸石駅は過去に幾度となく水害に見舞われています。1965年（昭和40年）の豪雨では、球磨川の増水により駅舎と宿舎が流失。1982年（昭和57年）には、土砂崩れで構内に停車していた急行列車が埋没する被害が発生しました。さらに同年の豪雨では、球磨川が氾濫し駅本屋が倒壊するという甚大な被害を受けています。これらの水害により、駅舎は建て替えと流失を繰り返しました。

1986年（昭和61年）に電子閉塞装置が導入されたことで無人駅となり、1987年（昭和62年）の国鉄分割民営化によりJR九州が継承しました。その後、駅舎は撤去され、ホーム上にある待合室のみが残されました。

2020年（令和2年）の豪雨では、球磨川の氾濫により駅構内の路盤が流出し、ホームと待合室が全壊するなど壊滅的な被害を受け、現在に至ります。

駅構造

瀬戸石駅は、島式ホーム1面2線を有する地上駅です。ホームへは構内踏切で連絡しています。かつては有人駅で駅舎も存在し、急行「えびの」「くまがわ」の一部列車も停車していましたが、現在は無人駅で普通列車のみが停車します。駅舎は解体され、ホーム上の待合室が開業当時から使用されているものですが、2020年の豪雨により甚大な被害を受けました。

待合室に設置されている方面案内板には、「八代・熊本方面」と「人吉・湯前方面」の表記が残っており、かつて急行列車が停車していた頃の名残を伝えています。

利用状況

瀬戸石駅の一日平均乗車人員は非常に少なく、周辺の住民の利用が主となっています。

駅周辺

駅周辺には民家はほとんどありません。対岸には楮木（かしき）という集落があり、以前は球磨川の渡し船で結ばれていました。渡し船は、駅付近の河原から出ており、船が対岸にいるときは大声で呼ぶ必要があったそうです。料金は1回150円でしたが、集落の住民は無料でした。しかし、船頭の高齢化と利用客の減少により、2012年（平成24年）に廃止されました。

駅の近くには、電源開発の瀬戸石ダムと瀬戸石発電所があります。また、対岸には国道219号が通っています。

隣の駅

九州旅客鉄道（JR九州）
■肥薩線
鎌瀬駅 - 瀬戸石駅 - 海路駅

脚注

参考文献: 曽根悟（監修）『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』朝日新聞出版、2009年。

関連項目

日本の[[鉄道駅]]一覧
夏目友人帳

外部リンク

瀬戸石駅（駅情報） - 九州旅客鉄道

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