火山角礫岩

火山角礫岩（Volcanic Breccia）

火山角礫岩は、火山活動によって生成される堆積岩の一種であり、その特徴は、粗粒の火山岩の破片が、より細かい火山岩片や火山灰に埋め込まれている点にあります。この岩石を構成する粒子の直径は64mm以上であり、それぞれの粒子は特定の形状や内部構造を持たないのが一般的です。

火山角礫岩の形成過程

火山角礫岩の形成過程は、主に以下の3つのメカニズムに分類されます。

1. 水中自破砕溶岩：
高温の溶岩が水中に流出した際、水との接触によって急激に冷却され、破壊されることで角礫が形成されます。これらの角礫が集積し、より細かい火山物質で満たされることで、火山角礫岩が生成されます。この過程は、特に水中火山活動において顕著に見られます。

2. 水流堆積：
溶岩やその他の火山噴出物が、水によって運搬され、二次的に水中で堆積することで形成されます。この場合、火山岩片は水流によってある程度磨耗され、角が取れた状態で見られることもあります。堆積する場所や条件によって、様々な特徴を持つ火山角礫岩が形成されます。

3. 陸上火山体での堆積：
陸上の火山体、特に火口の近くで火山噴出物が堆積して形成される場合があります。このタイプの火山角礫岩は、爆発的な噴火によって放出された岩片が、比較的近い場所に堆積することによって形成されることが多く、様々な大きさの岩片が混在しているのが特徴です。

火山角礫岩の特徴

粒度：
構成する粒子は主に64mm以上の角礫であり、これらがより細かい火山灰や岩片によって埋められています。
形状：
角礫は特定の形状を持たず、角ばっているのが特徴です。これは、溶岩が急冷されたり、爆発的な噴火によって岩石が破砕されたりする際に、形成されるためです。
構成：
火山角礫岩は、主に火山岩の破片で構成されていますが、その組成は火山活動の種類や地域によって異なります。

火山角礫岩の重要性

火山角礫岩は、過去の火山活動の状況を解明する上で非常に重要な役割を果たします。形成過程や構成物質を分析することで、火山噴火のメカニズムやその規模、周囲の環境条件などを推測することが可能です。また、火山活動の履歴を理解することは、将来の火山災害を予測し、対策を講じる上で不可欠です。

関連する用語

堆積岩：
岩石が風化や侵食によって砕け、水や風によって運ばれて堆積し、固まってできた岩石の総称。
火山砕屑岩：
火山噴火によって放出された岩石や火山灰などが堆積してできた岩石の総称で、火山角礫岩もこの一種です。

参考文献

世界大百科事典　第二版
日本火山学会(2012-06-19).火山学者に聞いてみよう　-トピック編-
国立大学法人 弘前大学 理工学部/大学院 理工学研究科(2019-04-15).火山砕屑物と火砕岩の分類

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