火山砕屑岩

火山砕屑岩とは

火山砕屑岩（かざんさいせつがん）は、火山活動によって放出された火山砕屑物（火砕物）が堆積し、固結して形成された岩石です。一般に火砕岩（かさいがん）とも呼ばれています。この岩石は、その成因から堆積岩として分類されることが多いですが、マグマを起源とするため、火成岩の一種、特に火山岩に分類されることもあります。

火山砕屑岩の形成過程

火山砕屑岩は、火山噴火によって放出された、様々な大きさの岩片や火山灰などが、空気中を降下したり、火砕流となって地表を移動したりする過程で堆積します。これらの堆積物が、時間経過とともに圧密作用や続成作用を受け、固結することで岩石となります。この形成過程は、堆積岩の形成過程と類似しているため、火山砕屑岩は堆積岩として分類されることが多いです。

火山砕屑岩の分類

火山砕屑岩は、構成する火砕物の種類によって細かく分類されます。主な分類としては、以下のようなものがあります。

火山礫凝灰岩：火山礫を主成分とするもの。
火山灰凝灰岩：火山灰を主成分とするもの。
凝灰角[[礫岩]]：角張った火山岩片を多く含むもの。
集塊岩：比較的大きな火山岩塊を多く含むもの。

これらの分類は、それぞれの構成要素が漸移的に変化するため、明確な境界を設けることが難しい場合があります。そのため、分類は便宜的なものと捉えることができます。

火山砕屑岩の特徴

火山砕屑岩は、その生成過程から、以下のような特徴を持つことが一般的です。

多孔質：火山砕屑物が堆積する際に、隙間が多く形成されるため、多孔質な構造を持つことが多いです。
層状構造：火山噴火の度合いや、火砕物の種類によって、堆積した層が形成されるため、層状構造が見られる場合があります。
不均質：様々な大きさや種類の火砕物が混ざり合って堆積するため、不均質な組織を示すことが多いです。

火山砕屑岩の利用

火山砕屑岩は、比較的柔らかく加工しやすいことから、建築材料や土木材料として利用されることがあります。特に、凝灰岩は古くから石材として利用されてきました。

まとめ

火山砕屑岩は、火山活動によって生み出される特有の岩石であり、その成因や特徴から、地球科学の研究において重要な対象となっています。また、火山活動の歴史や、過去の地球環境を解明する上で、貴重な情報源となるため、地質学的な観点からも重要です。

参考資料

天野一男、秋山雅彦 著「D-1-3 岩石の分類」、日本地質学会フィールドジオロジー刊行委員会編 編『フィールドジオロジー入門』共立出版〈フィールドジオロジー〉、2004年、131-134頁。ISBN 4-320-04681-1。
* 佐々木実 (2008年6月15日). “火山砕屑物と火砕岩の分類”. 地質調査法実習 2008. 弘前大学理工学部地球環境学科. 2012年9月21日閲覧。

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