火曜洋画劇場

『火曜洋画劇場』の歴史と特徴

『火曜洋画劇場』は、1979年10月9日に放送を開始し、2002年3月26日までの約23年間、サンテレビジョンで毎週火曜日の夜に2時間枠で放送されていた映画番組です。この番組は、解説を担当していた山城新伍の独自の視点とキャスティングへのこだわりから、多くの視聴者に親しまれ、愛される存在となりました。

番組の特徴

この番組には、以下のような独特のルールがありました。まず、「山城自身が嫌いなマカロニ・ウエスタン作品は放送しない」という姿勢がありました。また、基本的に同じ映画の再放送を行わず、例外として最終回に放送した「荒野の決闘」を除き、他作品の再放送は控えていました。そして洋画のみを放送の対象とし、唯一の例外として山城自身が監督した「ミスターどん兵衛」が放送されました。

番組開始当初は、テレビ東京から提供される映画を中心に放送が行われており、他のキー局の洋画劇場と特に大きな違いはありませんでした。しかし、テレビ東京からの供給が打ち切られて以降は、キー局がゴールデンタイムに放送した映画の再放送や、深夜枠で放送された映画の権利を購入して放送するスタイルに切り替えられました。このため、番組内ではスタッフクレジットが編集されずに残っており、「テレビ朝日・プロデューサー」といった名前が画面に映し出されることもありました。このような放送形態は、映画業界の中でもユニークなものとして視聴者の印象に残りました。

映画内容と批評

『火曜洋画劇場』では、低予算枠ゆえにB級映画や古い映画が多く流れることが一般的でした。このため、山城の解説も率直なもので、作品のクオリティについてのコメントをしばしば行っていました。「アクションはC級で」などといった言葉で、視聴者に作品の特性を的確に伝えていたのです。大ヒット作を放送する予算が限られていた一方で、娯楽映画を中心としたラインナップが視聴者の支持を得続けました。

放送時間とテーマ音楽

この番組は1979年から1996年9月まで、プロ野球シーズンに応じて放送時間が変動しました。シーズン中は21時30分または21時35分、オフシーズンは21時から21時05分という設定でした。その後、1996年10月からはその開始時間が22時に変更されました。年末年始には特別に30分繰り上げ放送されることもありました。

オープニングに使用された音楽は、1987年頃には「風と共に去りぬ」のテーマ曲がアレンジされて使われ、1988年以降は「モーニング·フライト」が採用されました。この曲はMALTAによって演奏され、エンディング曲には「Back-Ground」が用意されていました。

放送エピソード

1994年には中華航空の事故が起こった際、サンテレビは予定通り映画『墜落大空港』を放送し続けるなど、独自のスタンスを保っていました。また、2002年3月26日には最終回となる2152回目の放送が行われ、その際には山城の好きだった「荒野の決闘」が放送されました。この回を最後に、長い歴史を持つこの番組は幕を閉じました。

『火曜洋画劇場』は、映画の楽しみ方や娯楽性を重視した番組として、多くの視聴者に今日まで記憶されています。2014年には、この番組を引き継ぐ形で『シネマ・スタジアム』が放送されることとなりました。

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