炎のボレロ

ミュージカル・ロマン『炎のボレロ』の概要

『炎のボレロ』は、1988年に宝塚歌劇団の星組によって初演された感動的な舞台作品です。この物語は、占領下のメキシコを舞台に一人の青年の復讐を描いています。2020年には雪組によって再演され、再び多くの観客に愛されました。

公演記録

1988年に初演され、全15場から構成されていました。併演作品としてショー『Too Hot!』がありました。この初演は、星組のトップスターである日向薫にとっての宝塚大劇場お披露目公演でもあり、多くのファンに支持されました。

2020年の再演は雪組によって行われ、併演は『Music Revolution!　-New Spirit-』でした。

劇の背景

物語は、ナポレオン3世による傀儡政権、マキシミリアン皇帝のもと、メキシコが占領されている時代を背景にしています。主人公のアルベルトは、遊学中に皇帝側のブラッスール公爵に家族を残虐に殺され、復讐を誓った青年です。彼はメキシコに戻り、アルベルトの運命を描く物語が始まります。

あらすじ

物語は、春祭りの夜にアルベルトがカテリーナと出会うシーンに始まります。カテリーナはドロレス伯爵家の娘で、実はブラッスール公爵の婚約者でもあります。二人は出会い、次第に愛し合うようになりますが、彼らにはそれぞれの運命が待ち受けています。

同時に、ブラッスール公爵の命令を受けたフランス軍将校ジェラールが、アルベルトを追い詰める姿も描かれます。ジェラールは余命僅かの白血病患者ですが、自らの運命に抗うように執念でアルベルトを追い続けます。彼の恋人であるモニカは、酒場で働く共和派の一員で、ジェラールを支えます。

最終的に、アルベルトは革命軍に参加し、仲間たちと共にメキシコ独立の戦いに身を投じます。家族への復讐を果たすためにブラッスール公爵に立ち向かう姿は、観客に深い感動を与えます。

主な配役

1988年の初演では、日向薫がアルベルト・カザルス役を演じ、他に南風まい（カテリーナ・ドロレス）、紫苑ゆう（ジェラール・クレマン）などが主な役割を担いました。2020年の再演では彩風咲奈（アルベルト）、潤花（カテリーナ）、朝美絢（ジェラール）らが出演し、現代の観客にも多くの感動を与えました。

スタッフ

『炎のボレロ』の創作には多くの才能あるスタッフが携わりました。作・演出を担当したのは柴田侑宏で、音楽は寺田瀧雄が手掛けました。照明や衣装もそれぞれの専門家によって制作され、舞台の美しさが引き立てられています。

この作品は、宝塚歌劇団の中でも特に評価される舞台の一つであり、劇団80年の歴史の中で観客に強い印象を残してきました。

もう一度検索