為尊親王

為尊親王について

為尊親王（ためたかしんのう）は、平安時代中期を代表する皇族であり、冷泉天皇の第三皇子として誕生しました。生年は貞元2年（977年）、没年は長保4年6月13日（1002年7月25日）で、享年26歳という若さでその生涯を閉じました。兄には後に三条天皇となる居貞親王がいます。

幼少期と教育

為尊親王は、円融朝の天元5年（982年）に母・藤原超子を亡くし、幼いころから辛い日々を過ごしました。しかし、彼はその後、兄と共に読書を始め、左少弁であった菅原資忠から『孝経』などを学ぶことで、教育に励みました。

元服と官歴

一条朝の永延3年（989年）11月、彼は元服し、外祖父である摂政・藤原兼家の東三条院で儀式が行われました。理髪と加冠をそれぞれ藤原佐理と源雅信が担当しました。同年12月には初めて宮中に参内し、四品に叙され、帯剣を許されることになりました。また、正暦元年（990年）以降には弾正尹に任命され、正暦4年（993年）正月には二品に叙せられました。

大宰帥と家庭生活

この時期、為尊は大宰帥を兼任し、まもなく上野太守へと遷りました。彼の私生活においては、異母兄・花山上皇の仲介で6歳年上の九の御方と結婚しました。しかし、為尊は九の御方との間に実子を儲けることはできず、代わりに長保3年（1001年）には妻の甥に当たる藤原行成の子息を養子として受け入れました。

病気と死

長保3年（1001年）10月ごろから病を患い始め、翌年の長保4年に入るとその状態は悪化しました。5月初旬には医師が大きな腫物にかけた治療が行われましたが、状況は改善せず、6月5日に出家し、6月13日に亡くなりました。彼の死因については、当時の平安京で流行していた伝染病に感染したのではないかとも言われています。

人物と性格

為尊親王は、同母弟の敦道[[親王]]と共に、やや軽薄な性格であったと言われています。彼は子供の頃は非常に美しい顔立ちだったものの、元服後はその容姿が見劣りすると評されたことがあります。このような評価の中でも、彼は一貫して家庭を大切にし、九の御方と共に生活を築いていました。

官歴概要

以下に為尊親王の主要な官歴を示します。

• - 永延3年（989年）11月21日：元服
• - 永延3年（989年）12月2日：四品叙任
• - 不詳：弾正尹
• - 正暦4年（993年）正月1日：二品叙任
• - 長保4年（1002年）6月5日：出家
• - 同年6月13日：薨去

為尊親王の生涯は短命でしたが、その多様な経歴と様々な背景を持つ家庭生活は、平安時代の皇族の一側面を垣間見る貴重な資料となっています。

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