弾正尹

弾正尹についての詳細

弾正尹（だんじょうのかみまたはだんじょういん）は、日本の律令制度における重要な官職であり、弾正台の長官を指します。この役職は、従三位に相当し、主に非違行為の調査や弾劾を行う責任を持っていました。弾正尹は、古代から近世にかけて、官職の不正を摘発する専門機関として機能し、二官八省から独立した監察を行っていました。つまり、弾正尹の役割は、太政大臣を除く全ての役人の不正を監視・指摘し、国家の法秩序を守ることにありました。

弾正尹の職務は、特に平安時代の9世紀初頭において、より一層重要視されました。当時、令外官としての検非違使が成立したことで、弾正尹は特定の権限を持つようになったものの、次第に名誉職としての側面が強まります。その結果、実際の権力は少なくなっていきました。

長元3年（1030年）以降は、皇族に対する任官が行われなくなり、12世紀から13世紀にかけては公卿からの任官も見られない状態が続きました。この期間、弾正尹職はほぼ形骸化していました。しかし、正安4年（1302年）に村上源氏の土御門雅房が任命されたことで復活を果たしました。しかし、同年のうちに彼が死去したため、再びその役割は不明瞭なものとなりました。続いて、元応元年（1319年）には忠房親王が弾正尹に任命されていますが、この時代におけるその役割の重要性はあまり高くありませんでした。

その後、近代に入ると、1879年（明治12年）に太政官制のもとで官庁としての弾正台が復活し、再び注目を集めることとなります。この際、九条道孝が弾正尹に就任し、現代の官職としての役割を担うことになりました。

まとめ

弾正尹は、律令制度の下で非常に重要な役職であり、役人の不正を監視する任務を持っていました。歴史的にはその役割が変遷し、名誉職として扱われる時期もありましたが、近代に至るまでその地位は部分的に回復され、最終的には官庁としての機能を果たすようになりました。弾正尹の歴史は、その時代の政治や社会の変化を反映するものであり、日本の公的な監察機関の進化を知る上で、指標となる存在であると言えるでしょう。

関連項目

• - 弾正台

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