烏山駅

烏山駅：終着駅に息づく歴史と、未来への展望

はじめに

栃木県那須烏山市に位置する烏山駅は、JR東日本烏山線の終着駅です。県内JR最東端の駅として、長きに渡り地域住民の足として親しまれてきました。本稿では、烏山駅の開業から現在までの歴史、駅舎の構造、ユニークな発車メロディー、利用状況、周辺環境、そして今後の展望について詳細に解説します。

歴史を刻む、烏山駅

烏山駅は1923年（大正12年）4月15日に開業しました。以来、地域社会を支える重要な拠点として、幾多の変遷を経験してきました。貨物輸送の廃止（1979年）、荷物扱い廃止（1984年）、国鉄分割民営化によるJR東日本への移管（1987年）、東京近郊区間に編入（2009年）など、時代と共に変化を遂げてきました。特に、1979年には「銀河鉄道999号」の終着駅として装飾が施されたことが話題となりました。近年では、駅構内の棒線化（2011年）、みどりの窓口の閉鎖と業務委託化（2013年）、そして新駅舎の供用開始（2014年）といった変化を経て、現在の姿へと進化を遂げています。

駅舎と周辺環境

烏山駅は単式ホーム1面1線の地上駅です。かつては対向式ホーム2面2線でしたが、蓄電池駆動電車システム用車両の充電設備設置に伴い、2012年に1面1線化されました。新駅舎は2014年に完成し、モダンなデザインと広々とした待合室が特徴です。旧駅舎の面影を残す腕木式信号機は、駅の歴史を象徴する存在として大切に保存されています。駅周辺は住宅地が広がり、商店も点在しています。那珂川が流れ、自然豊かな環境も魅力です。

個性豊かな発車メロディー

烏山駅では、時間帯によって異なる発車予告メロディーが流れます。これはJR東日本においては珍しい試みで、朝は「エーデルワイス」、昼は「恋はみずいろ」、夕は「夕焼け小焼け」、夜は「ふるさと」といった親しみやすい楽曲が使用されています。さらに、2019年から那須烏山市の「山あげ祭り」開催期間中は、祭り定番のお囃子が発車予告メロディーとして使用されており、2022年からは通年化されました。このユニークな取り組みは、地域との一体感を深める一助となっています。

利用状況と今後の展望

2023年度の1日平均乗車人員は446人です。近年は減少傾向にありますが、地域住民の生活に密着した駅として、その役割は変わりません。駅周辺の開発や、烏山線全体の活性化策によって、利用者数の増加が期待されます。また、EV-E301系電車の運用開始は、烏山線の環境面への貢献とともに、新たな利用者獲得にもつながると考えられます。

アクセスと周辺情報

烏山駅は、栃木県道102号線沿いに位置しています。那須烏山市営バスや那珂川町コミュニティバスを利用することで、駅周辺だけでなく、周辺地域へのアクセスも容易です。

まとめ

烏山駅は、歴史と現代が融合する、魅力あふれる駅です。レトロな雰囲気と最新の設備、そして地域に根付いた取り組みは、訪れる人々に温かい印象を与えます。今後も、地域社会を支える重要な拠点として、その役割を果たしていくことでしょう。

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