無頼漢 (映画)

『無頼漢』は、1970年に公開された篠田正浩監督による日本映画であり、講談『天保六花撰』に登場する6人の悪党たちを軸に展開する物語です。本作は、第43回アカデミー賞外国語映画賞の日本代表候補作品として選出されましたが、最終ノミネートには至りませんでした。

概要

原作は、河竹黙阿弥作の歌舞伎『天衣紛上野初花』です。篠田正浩監督は、前作『心中天網島』で人形浄瑠璃の映画化に挑戦した後、本作では歌舞伎の映画化に挑みました。監督は、この作品で「荒唐無稽な歓楽の果てに訪れる虚無」を描きたかったと語っています。

この作品は、ニューヨーク近代美術館で開催された日本映画祭で上映され、海外の観客からも高い評価を得ました。独特な映像美や、時代劇という枠にとらわれない演出が高く評価され、篠田監督の代表作の一つとして知られています。

出演者

豪華な俳優陣も本作の見どころの一つです。主な出演者は以下の通りです。

片岡直次郎：仲代達矢
三千歳：岩下志麻
丑松：小沢昭一
河内山宗俊：丹波哲郎
森田屋清蔵：渡辺文雄
金子市之丞：米倉斉加年
三文小僧：山本圭
北村大膳：垂水悟郎
呼込みの男：小林昭二
松江出雲守：中村敦夫
かんおけ屋：浜村純
宮崎数馬：蜷川幸雄
笛市：北九州男
葦市：山谷初男
町娘：麻生いく子
かわら版屋：井上博一
おくま：市川翠扇
水野越前守：芥川比呂志
上州屋：藤原釜足
浪路：太地喜和子

これらの俳優たちが、それぞれの役柄を魅力的に演じており、物語に深みを与えています。特に、仲代達矢と岩下志麻の演技は高く評価されています。

作品の特徴

『無頼漢』は、単なる時代劇の枠に収まらない、独特の映像美と演出が特徴です。篠田監督は、歌舞伎の様式美を活かしながらも、映画独自の表現を追求しました。その結果、独特な雰囲気を持つ作品に仕上がっています。

物語は、欲望や裏切り、そして虚無感といった人間の内面を描いており、観る者に深い印象を与えます。また、映像や音楽にもこだわりが見られ、その芸術性の高さも本作の魅力の一つです。

関連情報

アカデミー外国語映画賞日本代表作品の一覧

参考資料

無頼漢 - KINENOTE

外部リンク

Buraikan - IMDb（英語）
無頼漢 - 日本映画データベース
無頼漢(1970) - KINENOTE
無頼漢 - 東宝

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