焼山 (択捉島)

焼山（やけやま）

焼山は千島列島に属する択捉島の中央部、太平洋側に位置する活火山です。その存在は地域における火山活動の重要な指標となっており、他の焼山と区別するために、択捉焼山とも称されることがあります。

地理と名称

この火山は1945年まで日本が統治していた地域にあり、日本では「小散布山」という別名も用いられています。現在、この島を実効支配しているロシア連邦では、焼山を「イヴァン・グローズヌィ」と呼び、これは16世紀のロシアの皇帝である「雷帝」イヴァン4世に由来しています。このように、日本とロシアの間で異なる名称が使われる背景には、歴史的な領有権の主張が関わっています。

焼山は輝石安山岩から成る成層火山であり、中央には火口丘が存在し、硫気孔も見られます。近隣にある小田萌山と焼山は、共に火山活動の関連性があり、しばしば同時に取り上げられることがあります。

噴火歴

焼山の噴火は過去に何度か記録されており、その中でも特に注目されるのは1973年、1989年、2012年の噴火です。

1973年の噴火

1973年1月の初旬には、山頂火口で小規模な爆発が発生しました。また、5月16日には一連の強い爆発が起き、大規模な火口が形成されました。これらの活動は、火山の活発な動きを示す重要な出来事でした。

1989年の噴火

1989年には、5月3日から14日までの間や6月19日、8月上旬に爆発が起こり、噴煙は2000メートルの高さに達しました。この年の噴火は特に広範囲に影響を及ぼし、周辺地域に火山灰が降り注ぎました。

2012年の噴火

2012年8月16日にも焼山の活動が確認され、噴火の影響で約9km離れたゴリャチエ・クリュチ村や25km離れたクリリスク町（日本名：紗那）でも火山灰が確認されました。このように、焼山からの火山灰は相当な距離にも影響を及ぼすことがあります。

参考文献とリンク

火山としての観察や研究は進められており、情報源として以下の資料が役立ちます。これらは、日本の気象庁や地質調査機関が提供したデータに基づいています。

• - 択捉焼山 - 気象庁
• - 日本活火山総覧(第4版)Web掲載版 択捉焼山
• - 日本の火山 択捉焼山 - 産業技術総合研究所 地質調査総合センター

焼山は、その独特の地理的特性や歴史的背景から、日本とロシアの両方にとって重要な火山であり、今後の活火山活動にも注目が必要とされるでしょう。

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