熊の湯温泉

熊の湯温泉：秘湯の魅力と歴史

長野県下高井郡山ノ内町、志賀高原の奥深くにある熊の湯温泉は、自然豊かな場所にひっそりと佇む温泉地です。かつては平穏温泉の一部として数えられたこともありますが、現在ではその独特な泉質と景観で知られています。

泉質と特徴

熊の湯温泉の泉質は、含硫黄-カルシウム・ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉です。源泉温度は63℃と高く、湧き出る湯は全国でも珍しい濃厚なエメラルドグリーン色をしています。この鮮やかな色は、豊富な硫黄成分によるもので、その含有量は全国屈指と言われています。古くから、その湯治効果は高く評価されており、傷を負った熊が湯に浸かって癒したという伝説も残っています。

温泉街と周辺環境

熊の湯温泉には、いわゆる温泉街はありません。笠ヶ岳と角間川の清流に挟まれた場所に、「熊の湯ホテル」という一軒宿が、この温泉の商標権を有しています。周囲は手つかずの自然が残り、四季折々の美しい景色が楽しめます。特に秋の紅葉は圧巻で、温泉に浸かりながらその絶景を堪能できます。

歴史

熊の湯温泉の歴史は古く、1848年（嘉永元年）には、佐久間象山によって発見されたと伝えられています。彼はその効能を高く評価し、「草津温泉の様である」と松代藩への調査報告書に記しました。その後、1882年（明治15年）には、山本弥曽吉によって宿浴場が設置され、多くの湯治客が訪れるようになりました。

硯川温泉との関係

熊の湯温泉の近くには、硯川温泉があります。角間川と硯川の合流地点を挟んで対岸に位置しており、かつては熊の湯の一部として誤解されることもありました。しかし、2000年末に「ほたる温泉」と名称変更され、区別されるようになりました。ほたる温泉は、日本で最も標高の高い場所でホタルの観測ができることで知られています。

アクセス

熊の湯温泉へのアクセスは以下の通りです。

鉄道：JR東日本長野駅より長電バス（急行 志賀高原線）で約1時間40分、「熊の湯」バス停下車。
鉄道：長野電鉄湯田中駅より長電バス（白根火山線／蓮池ターミナル乗り換え）で約40分、「熊の湯」バス停下車。
自動車：上信越自動車道信州中野ICより国道292号線を約30km。

まとめ

熊の湯温泉は、秘湯の雰囲気を色濃く残す温泉地です。濃厚なエメラルドグリーンの湯は、他では味わえない特別な体験を与えてくれます。豊かな自然に囲まれ、静かに温泉を楽しみたい方におすすめです。ぜひ一度、この秘湯を訪れてみてください。

外部リンク

熊の湯
* 志賀高原観光協会

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