熊朝忠
熊朝忠（ゆう・ちょうちゅう、英語名: Xiong Zhao Zhong、1982年10月3日生まれ）は、中華人民共和国の元プロボクサーです。雲南省文山州のミャオ族の農家に三兄弟の次男として生まれました。そのキャリアにおいて、中国人男子として史上初となるプロボクシングの世界王座を獲得するという歴史的な快挙を達成しました。
熊朝忠は故郷である雲南省文山州で育ちました。プロボクサーとしてのキャリアは2006年8月15日、昆明市でのデビュー戦から始まります。この最初の試合は4ラウンド判定で引き分けとなりました。
キャリア初期には地域タイトル戦に挑みます。2008年3月21日にはABCOコンチネンタルフライ級王座決定戦で初回KO勝利を収め、王座を獲得。しかし、同年11月6日の初防衛戦では12ラウンド判定負けを喫し、早くも王座を失いました。2009年5月26日には日本のディファ有明で、当時WBC世界フライ級王者だった内藤大助に挑戦。6回にダウンを奪う健闘を見せましたが、ポイントでは及ばず、12ラウンド判定負けで世界王座獲得はなりませんでした。同年7月7日には後楽園ホールで粉川拓也とも対戦しましたが、こちらも判定負けとなりました。
再起を図る熊朝忠は階級を下げ、ABCOコンチネンタルライトフライ級王座決定戦に臨みます。2010年1月24日、昆明で3回KO勝利を収め、ABCOコンチネンタル王座の2階級制覇を達成しました。同年7月9日には佐藤靖明を相手に判定勝ちで初防衛に成功しています。
その後も地域タイトルを獲得していきます。2010年12月18日にはIBFパンパシフィックライトフライ級王座とABCOライトフライ級暫定王座を同時に獲得。2011年11月19日にはWBCチャイナゾーンライトフライ級王座も手に入れました。2012年4月22日には日本の小野心と対戦し判定負けを喫しましたが、同年6月16日にはWBC世界ライトフライ級シルバー王座決定戦を制し、同王座を獲得しています。
そして迎えた2012年11月25日、熊朝忠は故郷・昆明体育館で大きなチャンスを掴みます。井岡一翔の王座返上により空位となったWBC世界ミニマム級王座を懸け、ハビエル・マルチネスと王座決定戦を行いました。この歴史的な一戦で12ラウンド判定勝利を収めた熊朝忠は、中華人民共和国の男子プロボクサーとして初めて世界王座を獲得するという、国内ボクシング界にとって記念碑的な偉業を達成しました。この快挙は、当時のWBC会長ホセ・スライマンからも高く評価され、王座保持のために強豪との対戦を回避させる目的で、対戦候補だったデンバー・クエリョに対戦待機料が支払われたというエピソードも残っています。
世界王者となった熊朝忠は、2013年6月28日にドバイでWBC世界ミニマム級1位のデンバー・クエリョを相手に初防衛戦を行います。初回にダウンを奪われる苦しい展開でしたが、クエリョが右肩を負傷したことで挽回し、12ラウンド判定で勝利。初防衛に成功しました。しかし、試合後には現地のプロモーターによるファイトマネーなどの未払い問題が発覚するという一件もありました。同年11月30日には、当初予定されていた相手が入国できないという事態に見舞われましたが、急遽代理挑戦者となったルーラック・キャットマンミーを相手に5回TKO勝利を収め、2度目の防衛に成功しました。
しかし、3度目の防衛戦となった2014年2月5日のオズワルト・ノボア戦では、キャリア初のKO負けを喫し、王座から陥落しました。試合は開始直後からノボアのペースで進み、4回にダウンを奪われた後、5回に連打を浴びてレフェリーストップとなりました。
WBC王座陥落後も世界王座返り咲きを目指します。2014年10月25日にはWBA・IBO世界ミニマム級王者ヘッキー・ブドラーに挑戦。2回にダウンを奪い王者を追い詰めましたが、3回にダウンを奪い返されるなど激しい攻防の末、12ラウンド判定で敗れ、複数団体での世界王座獲得はなりませんでした。
その後、2015年2月22日にはWBCインターナショナルミニマム級王座を獲得。同年9月18日にはOPBF東洋太平洋ミニマム級王座決定戦を制し、OPBF王者となると同時にWBCインターナショナル王座の初防衛も果たしました。
2016年5月25日にはIBF世界ミニマム級王座への指名挑戦者決定戦に出場しましたが、判定で敗れ、IBF王座挑戦権獲得はなりませんでした。2017年10月3日にはWBAインターナショナルミニマム級王座を獲得しています。
プロキャリアの最後となったのは、2018年7月27日に行われたWBA世界ミニマム級王者ノックアウト・CPフレッシュマートへの挑戦でした。この試合は判定で敗れ、WBCに続くWBAでの世界王座獲得は叶いませんでした。試合後、熊朝忠は現役引退を表明しました。
貧しい農家出身ながら、努力と才能で中国初の男子世界王者という輝かしい歴史を築いた熊朝忠は、母国のボクシング界に大きな影響を与えた存在です。
ABCOコンチネンタルフライ級王座
ABCOコンチネンタルライトフライ級王座
IBFパンパシフィックライトフライ級王座
ABCOライトフライ級暫定王座
WBCチャイナゾーンライトフライ級王座
WBC世界ライトフライ級シルバー王座
WBC世界ミニマム級王座（防衛2）
OPBF東洋太平洋ミニマム級王座
WBAインターナショナルミニマム級王座
ABCO表彰式 - 2012年度年間最優秀選手賞
来歴
熊朝忠は故郷である雲南省文山州で育ちました。プロボクサーとしてのキャリアは2006年8月15日、昆明市でのデビュー戦から始まります。この最初の試合は4ラウンド判定で引き分けとなりました。
キャリア初期には地域タイトル戦に挑みます。2008年3月21日にはABCOコンチネンタルフライ級王座決定戦で初回KO勝利を収め、王座を獲得。しかし、同年11月6日の初防衛戦では12ラウンド判定負けを喫し、早くも王座を失いました。2009年5月26日には日本のディファ有明で、当時WBC世界フライ級王者だった内藤大助に挑戦。6回にダウンを奪う健闘を見せましたが、ポイントでは及ばず、12ラウンド判定負けで世界王座獲得はなりませんでした。同年7月7日には後楽園ホールで粉川拓也とも対戦しましたが、こちらも判定負けとなりました。
再起を図る熊朝忠は階級を下げ、ABCOコンチネンタルライトフライ級王座決定戦に臨みます。2010年1月24日、昆明で3回KO勝利を収め、ABCOコンチネンタル王座の2階級制覇を達成しました。同年7月9日には佐藤靖明を相手に判定勝ちで初防衛に成功しています。
その後も地域タイトルを獲得していきます。2010年12月18日にはIBFパンパシフィックライトフライ級王座とABCOライトフライ級暫定王座を同時に獲得。2011年11月19日にはWBCチャイナゾーンライトフライ級王座も手に入れました。2012年4月22日には日本の小野心と対戦し判定負けを喫しましたが、同年6月16日にはWBC世界ライトフライ級シルバー王座決定戦を制し、同王座を獲得しています。
WBC世界ミニマム級王座獲得
そして迎えた2012年11月25日、熊朝忠は故郷・昆明体育館で大きなチャンスを掴みます。井岡一翔の王座返上により空位となったWBC世界ミニマム級王座を懸け、ハビエル・マルチネスと王座決定戦を行いました。この歴史的な一戦で12ラウンド判定勝利を収めた熊朝忠は、中華人民共和国の男子プロボクサーとして初めて世界王座を獲得するという、国内ボクシング界にとって記念碑的な偉業を達成しました。この快挙は、当時のWBC会長ホセ・スライマンからも高く評価され、王座保持のために強豪との対戦を回避させる目的で、対戦候補だったデンバー・クエリョに対戦待機料が支払われたというエピソードも残っています。
世界王者となった熊朝忠は、2013年6月28日にドバイでWBC世界ミニマム級1位のデンバー・クエリョを相手に初防衛戦を行います。初回にダウンを奪われる苦しい展開でしたが、クエリョが右肩を負傷したことで挽回し、12ラウンド判定で勝利。初防衛に成功しました。しかし、試合後には現地のプロモーターによるファイトマネーなどの未払い問題が発覚するという一件もありました。同年11月30日には、当初予定されていた相手が入国できないという事態に見舞われましたが、急遽代理挑戦者となったルーラック・キャットマンミーを相手に5回TKO勝利を収め、2度目の防衛に成功しました。
しかし、3度目の防衛戦となった2014年2月5日のオズワルト・ノボア戦では、キャリア初のKO負けを喫し、王座から陥落しました。試合は開始直後からノボアのペースで進み、4回にダウンを奪われた後、5回に連打を浴びてレフェリーストップとなりました。
その後のキャリア
WBC王座陥落後も世界王座返り咲きを目指します。2014年10月25日にはWBA・IBO世界ミニマム級王者ヘッキー・ブドラーに挑戦。2回にダウンを奪い王者を追い詰めましたが、3回にダウンを奪い返されるなど激しい攻防の末、12ラウンド判定で敗れ、複数団体での世界王座獲得はなりませんでした。
その後、2015年2月22日にはWBCインターナショナルミニマム級王座を獲得。同年9月18日にはOPBF東洋太平洋ミニマム級王座決定戦を制し、OPBF王者となると同時にWBCインターナショナル王座の初防衛も果たしました。
2016年5月25日にはIBF世界ミニマム級王座への指名挑戦者決定戦に出場しましたが、判定で敗れ、IBF王座挑戦権獲得はなりませんでした。2017年10月3日にはWBAインターナショナルミニマム級王座を獲得しています。
プロキャリアの最後となったのは、2018年7月27日に行われたWBA世界ミニマム級王者ノックアウト・CPフレッシュマートへの挑戦でした。この試合は判定で敗れ、WBCに続くWBAでの世界王座獲得は叶いませんでした。試合後、熊朝忠は現役引退を表明しました。
貧しい農家出身ながら、努力と才能で中国初の男子世界王者という輝かしい歴史を築いた熊朝忠は、母国のボクシング界に大きな影響を与えた存在です。
獲得タイトル
ABCOコンチネンタルフライ級王座
ABCOコンチネンタルライトフライ級王座
IBFパンパシフィックライトフライ級王座
ABCOライトフライ級暫定王座
WBCチャイナゾーンライトフライ級王座
WBC世界ライトフライ級シルバー王座
WBC世界ミニマム級王座（防衛2）
OPBF東洋太平洋ミニマム級王座
WBAインターナショナルミニマム級王座
受賞歴
ABCO表彰式 - 2012年度年間最優秀選手賞
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