熊本鉄道事業部

熊本鉄道事業部：その歴史と役割

熊本鉄道事業部は、かつて熊本県熊本市西区の熊本駅構内に存在した、九州旅客鉄道（JR九州）の事業部の一つでした。熊本支社の管轄下にありましたが、2022年4月の組織改正により、その機能は支社本体に統合され、事業部としては廃止されました。

歴史

熊本鉄道事業部の歴史は、明治時代にまで遡ります。

1891年（明治24年）4月1日 - 九州鉄道が熊本延伸に先駆け、熊本機関庫を創設。
1907年（明治40年）7月1日 - 九州鉄道の国有化により、官設鉄道の熊本機関庫となる。
1936年（昭和11年）9月1日 - 熊本機関区に改称。
1987年（昭和62年）4月1日 - JR九州発足に伴い、当時の国鉄熊本機関区を組織変更してJR九州熊本運転所に名称変更。
1992年（平成4年）6月1日 - 人吉鉄道事業部が発足。
1999年（平成11年）12月1日 - 熊本鉄道事業部発足。熊本運転所が熊本鉄道事業部の下部組織となり熊本運輸センターに改称。
2004年（平成16年）6月1日 - 人吉鉄道事業部と統合。
2006年（平成18年）3月18日 - 熊本運輸センターの車両部門を熊本車両センターに分離。
2008年（平成20年）4月1日 - 阿蘇鉄道事業部と統合。
2012年（平成24年） - 熊本運輸センターと熊本車掌センターを統合し熊本乗務センターに改称。
2022年（令和4年）4月1日 - 組織改正により熊本鉄道事業部廃止、支社本体に機能を統合。

阿蘇鉄道事業部の統合以来、熊本支社管内全区間が管轄対象となり、広範囲なエリアを管理していました。

熊本乗務センター

熊本乗務センターは、熊本駅付近に位置し、運転士・車掌が所属する区所です。2012年度のダイヤ改正で熊本運輸センターと熊本車掌センターが統合され、現在の名称となりました。

熊本車両センター

熊本車両センターは、熊本駅付近の蓮台寺に位置する車両基地です。ここでは、様々な種類の車両が রক্ষণ・整備されています。

配置車両

2024年4月1日現在、熊本車両センターには以下の車両が配置されています。

電車
815系（NT編成）：2両編成15本
817系（VT編成）：2両編成4本
821系（UT編成）：3両編成10本

当センター配置の電車は全車両がワンマン運転に対応しています。

気動車
キハ185系：2両（観光特急「A列車で行こう」専用車）
キハ183系：4両（観光特急「あそぼーい!」専用車）
キハ40形：1両（保留車）
キハ47形：4両（観光特急「いさぶろう・しんぺい」「かわせみ やませみ」仕様車を含む）
キハ147形：4両
キハ200形：8両
キハ220形：4両
BE220形：1両(多機能検測車)

当センターに配置されている気動車の中で、キハ40系・キハ185系の全車両とキハ200系の一部は機関換装施工済み車両です。また、キハ183系を除く各系列（形式）車は全車両ワンマン運転に対応しています。

客車
50系客車：3両（「SL人吉」用改造車）
マヤ34形客車：1両（軌道試験車）

機関車
8620形蒸気機関車：1両（「SL人吉」牽引機、保留車）
DE10形ディーゼル機関車：7両
DD200形ディーゼル機関車：1両

過去の所属車両

キハ28・58形気動車
キハ31形
キハ140形
24系客車
チキ6000形貨車

設備保全区所

熊本鉄道事業部には、以下の設備保全区所がありました。

熊本工務センター
八代工務センター
* 玉名工務センター

熊本鉄道事業部は廃止されましたが、その歴史と役割は、現在のJR九州熊本支社にしっかりと引き継がれています。熊本の鉄道を支え、発展に貢献してきた功績は、決して忘れることはできません。

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