熊谷ラグビー場

埼玉県熊谷市にある熊谷スポーツ文化公園内に設けられた、ラグビー専用の競技施設です。広大な敷地には、中心となるメインスタジアムをはじめ、複数のラグビー用グラウンドが整備されています。国内外の重要な試合や大会が数多く開催される、日本のラグビーにとって欠かせない拠点の一つです。

施設概要

熊谷ラグビー場は、以下の複数のグラウンドで構成されています。

Aグラウンド: メインスタジアムであり、約24,000人（全席座席）を収容可能。全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会や、ジャパンラグビーリーグワン（埼玉パナソニックワイルドナイツのホームゲーム）、関東大学ラグビー（対抗戦グループ・リーグ戦グループ）といった主要な大会やリーグ戦の試合が多数行われています。2019年にはラグビーワールドカップの会場としても使用されました。2022年からは埼玉パナソニックワイルドナイツの公式なホームスタジアムとなっています。ワイルドナイツのホストゲームでは、クラブハウスに近い北側ベンチがホストチーム、南側がビジターチームとして使用されます。
Bグラウンド: Aグラウンドに隣接しており、約6,700人収容の観客席を備えた専用グラウンドです。
Cグラウンド: Bグラウンドと同様に隣接しており、こちらはラグビーだけでなく多目的広場としての利用も可能ですが、有料施設のため自由に立ち入りはできません。
西グラウンド: 公園の西端に位置し、かつては多目的広場だった場所をラグビー用に改修したものです。女子ラグビーチームのアルカス熊谷が練習グラウンドとして使用している他、高校選抜大会などでも利用されています。

Aグラウンドに隣接する施設「さくらオーバルフォート」内には、埼玉パナソニックワイルドナイツ専用の練習グラウンドも整備されています。

ラグビーワールドカップ2019開催と改修

2019年の日本でのラグビーワールドカップ開催に際し、熊谷ラグビー場は国際大会基準を満たすための大規模な改修工事が行われました。強豪国同士の試合開催にも対応できるBカテゴリー相当のスタジアムへの拡張を目指し、改修前の芝生席込み約24,000人の収容能力（座席9,232人、立ち見4,828人）を、全席座席化による約24,000人収容へと変更しました。

主要な改修内容としては、国際大会開催に必須のナイター照明塔や大型映像装置の設置、屋根の拡張（面積約7,000平方メートル、高さ約35メートル）が含まれます。その他、フィールドやスタンド、外構部分も全面的に改修されました。特に、メインスタンドとバックスタンドの配置が入れ替えられています。

この改修工事は総事業費約124億200万円をかけ、設計・施工一体方式（ECI方式）が採用され、2016年6月に着工、2018年8月31日に完成しました。完成後、2018年9月1日に全国高校ラグビー埼玉大会の開会式が行われ、同年10月20日にはパナソニックワイルドナイツ対キヤノンイーグルスの試合がこけら落とし記念試合として開催されました。

ラグビーワールドカップ2019本大会では、以下の3試合が開催されました。

2019年9月24日: プールA ロシア代表対サモア代表
2019年9月29日: プールD ジョージア代表対ウルグアイ代表
2019年10月9日: プールC アルゼンチン代表対アメリカ合衆国代表

沿革

熊谷ラグビー場では、これまでに様々な重要なイベントが開催されています。

2002年 5月26日: リポビタンDチャレンジとして、日本代表対トンガ代表のテストマッチが開催されました。
2004年: 彩の国まごころ国体のラグビーフットボール競技会場の一つとなりました。
2015年 3月2日: 2019年ラグビーワールドカップ日本大会の開催地12都市の一つとして選ばれました。
2019年 9月6日: リポビタンDチャレンジカップとして、日本代表対南アフリカ代表のテストマッチが開催されました。
2020年 11月29日: リポビタンD presents JAPAN RUGBY CHALLENGE 2020が開催されました。
2022年1月: ジャパンラグビーリーグワンの埼玉パナソニックワイルドナイツのホームスタジアムとなりました。
2022年5月24日・25日: 第77期本因坊戦挑戦手合七番勝負の第2局が特別室で行われ、ラグビー以外の用途でも使用されました。
* 2024年 2月4日: THE CROSS-BORDER RUGBY 2024として、埼玉ワイルドナイツとスーパーラグビーのギャラガーチーフスとの試合が開催されました。

アクセス

熊谷ラグビー場へのアクセスは、通常時と大規模大会開催時で異なります。特にラグビーワールドカップのような大きなイベント時には、周辺の交通規制やシャトルバス運行、パークアンドライド方式など、通常とは異なる特別なアクセス方法が設けられます。詳細については、各大会の公式情報等で確認が必要です。

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