熊谷太三郎

熊谷 太三郎の生涯

熊谷太三郎（くまがい たさぶろう）は、1906年11月3日に福井県福井市で生まれました。彼は日本の実業家および政治家として知られ、特に科学技術庁長官や福井市長としての業績で名を馳せました。太三郎は、建設業を営む熊谷三太郎の次男として誕生し、家庭環境から早くからビジネスに興味を持つようになりました。

学歴と初期のキャリア

福井県立福井中学校、旧制第一高等学校を卒業し、京都帝国大学経済学部に進学した太三郎は、1930年に卒業しました。在学中にはアララギ会に参加し、著名な短歌の指導者から影響を受けました。卒業後は家業の建設業に従事しましたが、政治に対する関心も高まりました。1933年には、父の後継として福井市会議員選挙に出馬し当選。その後、市会議長や飛島組の取締役に就任しました。

創業と市長職

1938年に飛島組から独立し、株式会社熊谷組を設立しました。父が社長で、太三郎は副社長として会社を牽引しました。彼は福井市名誉職市長にも選出され、1947年の公選でも改めて市長に当選しました。市長としては、戦後初の下水道整備を進め、福井市の下水道普及率を全国一位に引き上げる成果を上げました。

政界進出と業績

1957年には、建設業界での功績が評価され藍綬褒章を受章しました。熊谷組の2代目社長を経て、1962年には自民党から参議院に初当選。科学技術庁長官や国務大臣を歴任し、原子力発電所の建設を推進したことで注目されました。特に、高速増殖炉もんじゅの設立に尽力しました。彼は参議院議員を5期務める中で、北陸地域の経済発展に大いに貢献しました。

教育者としての側面

1963年から福井短期大学の学長、1965年からは福井工業大学の初代学長を務めるなど、教育界での貢献も大きいです。彼は大学の設立に深く関与し技術者の育成に寄与しました。1986年には裁判官弾劾裁判所の裁判長も務めるなど、公的な役割も果たしました。

最晩年と死去

熊谷は福井テレビジョン放送の代表取締役会長や日刊福井の初代会長も歴任し、地域メディアにも深く関わっていました。1992年1月15日、急性肺炎により85歳でこの世を去りました。彼の功績と影響は現在でも多くの人々に語り継がれています。

まとめ

熊谷太三郎の生涯は、福井市や日本の建設業、政治の発展における重要な一端を担っていました。彼の功績は、原子力事業の推進や地域のインフラ整備においても顕著であり、その影響は長く続くことでしょう。

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