熊野神社 (安曇野市)

熊野神社

熊野神社は、長野県安曇野市三郷明盛に鎮座する神社です。旧社格は郷社であり、地域の人々から崇敬を集めています。

祭神

熊野神社の祭神は以下の四柱です。

伊弉冊神（いざなみのかみ）
速玉男命（はやたまおのみこと）
泉津事解男命（よもつことさかのおのみこと）
素戔嗚尊（すさのおのみこと）

これらの神々は、それぞれが重要な役割を持つ神々として知られています。

歴史

社伝によれば、熊野神社は白雉元年（650年）に熊野権現を勧請したことに始まります。その後、応永8年（1401年）に再度、熊野三社を勧請しました。神社の南側にあった神宮寺は、応永18年（1411年）に熊野から来た僧侶によって創建され、十一面観世音菩薩の立像が安置されました。この神宮寺の存在は、当時の神仏習合の様子を今に伝えるものです。

文禄時代の検地では、熊野神社の社領は5石とされ、これは安曇郡内では穂高神社、住吉神社に次ぐものでした。このことから、当時から熊野神社が地域において重要な位置を占めていたことがわかります。

また、貞享3年（1686年）の貞享騒動では、多田加助ら主導者が当社の境内で一揆の誓詞を交わしました。この出来事は、熊野神社が地域社会において重要な役割を果たしていたことを示しています。

明治時代に入ると、熊野神社は明治35年（1902年）に村社から郷社に昇格しました。明治40年（1907年）には下中萱の八坂社を合祀し、大正12年（1923年）には伏見稲荷を勧請しました。これらの出来事は、時代の変化とともに熊野神社が変遷を遂げてきたことを示しています。

お船祭り

毎年8月には、熊野神社で「お船祭り」という祭りが開催されます。この祭りでは、壮大な山車（お船）が曳航され、多くの見物客で賑わいます。お船祭りは、安曇野市の無形民俗文化財に指定されており、地域の大切な文化として受け継がれています。

文化財

熊野神社には、数々の文化財が残されています。

熊野神社本殿（安曇野市有形文化財）
旧八坂社本殿（安曇野市有形文化財）
絵馬（安曇野市有形民俗文化財）
花鳥の図、山姥と金太郎、大江山酒天童子、素盞嗚尊八岐大蛇、武者絵、福禄寿、鎌倉大評定、巴御前などの様々な絵柄の絵馬が奉納されています。
お船祭り（安曇野市無形民俗文化財）

これらの文化財は、熊野神社の歴史と文化を今に伝える貴重なものです。

所在地

長野県安曇野市三郷明盛3319番地

周辺

貞享義民記念館

参考文献

* 『三郷村誌 民俗編』 2004年

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