熱い嵐

熱い嵐：高橋是清の生涯を描いた感動のドラマ

1979年2月26日、TBS系で放送された単発スペシャルドラマ『熱い嵐』は、日本の近代史に大きな足跡を残した高橋是清の生涯を描いた作品です。松浦行真の小説『熱い嵐 高橋是清の生涯』を原作とし、激動の昭和初期を背景に、高橋是清の波瀾万丈な人生が克明に描かれています。

このドラマ最大の魅力は、豪華なキャスト陣でしょう。高橋是清を演じるのは、若き日の活躍を国広富之、そして円熟期を森繁久彌という、日本を代表する名優二人のWキャスト。二人の異なる魅力が、高橋是清という人物の複雑な側面を多角的に表現しています。

ヒロインである妻・品子を演じるのは、若き日の品子を竹下景子、そして年齢を重ねた品子を森光子（特別出演）が演じ、時代とともに変化していく夫婦の姿を見事に表現しています。その他にも、大原麗子、沢村貞子、藤岡弘、山崎努、岡田英次など、錚々たる顔ぶれが脇を固め、当時の日本を彩った個性豊かな人物像を描き出しています。

脚本を担当したのは田向正健。綿密な資料調査に基づいた緻密な脚本は、歴史ドラマとしての高い完成度を誇ります。阿井文瓶、中原朗、杉江慧子など多くの関係者からの資料協力も得ており、歴史的事実に忠実に、かつドラマチックに物語が展開されます。

音楽は小室等が担当。ドラマの雰囲気を盛り上げる重厚な音楽と、エンディングテーマ「いま生きているということ」が、視聴者の心に深く刻まれます。また、演出は高橋一郎が務め、緊迫感と感動が絶妙に織り交ぜられた演出が、視聴者をドラマの世界へと引き込みます。

『熱い嵐』は単なる歴史ドラマにとどまらず、一人の人間の生き様、そして激動の時代を生きた人々の姿を、深く感動的に描き出した作品です。高橋是清の生涯を通して、日本の近代史を振り返り、現代社会を考えるきっかけを与えてくれるでしょう。

主な登場人物とキャスト

高橋是清：国広富之（青年時代）、森繁久彌（壮年時代）
高橋品子：竹下景子（青年時代）、森光子（壮年時代、特別出演）
高橋友子：大場久美子
芸者桝吉：大原麗子
祖母・喜代子：沢村貞子
前田正名：藤岡弘
松方正義：横内正
牧田万象：田中明夫
半田徳蔵：東野英心
駒与楚松：鈴木ヒロミツ
特許請願者第一号：常田富士男
原田宗助：神太郎
本多喜一：矢崎滋
南校小使：北見治一
阿部金八郎：三沢慎吾（青年時代）、大滝秀治（壮年時代）
井上準之助：山崎努
原敬：岡田英次
田中義一：鈴木瑞穂
高橋是光：柴田恭兵
はる：古手川祐子
加藤友三郎：須賀不二男
田村執事：相沢治夫
犬養毅：原保美
荒木貞夫：高松英郎
深井英五：久米明
川島陸相：渡辺文雄
大角海相：垂水悟郎
岡田首相：巌金四郎
青年将校：綿引洪、明石勤
小菊：結城しのぶ
水谷中尉：勝野洋
上塚秘書官：小野寺昭
森有礼：竹脇無我
ナレーター：神山繁

その他多くの俳優が出演し、それぞれの役柄を熱演しています。

制作スタッフ

プロデューサー：大山勝美、鈴木淳生
演出：高橋一郎
原作：松浦行真
脚本：田向正健
音楽：小室等
技斗：國井正廣

このドラマは、TBSチャンネルでも視聴可能です。2015年にはNHKで放送された『経世済民の男』というドラマでも高橋是清の生涯が描かれていますが、『熱い嵐』は、昭和初期の雰囲気や豪華なキャスト陣など、独自の味わいがあります。歴史ドラマとして、そして人間ドラマとして、高い完成度を誇る作品です。

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