爆弾男 (ゲーム)

ゲームの概要

『爆弾男』（ばくだんおとこ）は、1983年に有限会社ハドソンによって発売されたパソコン用ゲームソフトで、MSX版では『ボンバーマン』として知られています。この作品はボンバーマンシリーズの根本的な要素を形作ったと言われています。

ゲームの舞台は、主人公が迷路に閉じ込められるという設定で、彼は作業服を着た人間です。敵キャラクターは表情が変わるふうせんおばけのみで、これを倒すことで異なる得点が得られます。アイテムやドアを爆弾で爆破すると、ふうせんおばけが出現します。特にMZ-700版では、ピクセル単位での表示が不十分なため、主人公や敵キャラクターのグラフィックは非常に簡略化されています。

また、特定のバージョンでは、ステージ番号が4の倍数になると「BOMB AUTO SETTING STAGE」と呼ばれる、自動で爆弾が設置される特別なステージが現れることもあります。

ボンバーマンシリーズとの違い

本作はボンバーマンシリーズに大きな影響を与えたものの、根本的なゲーム性やキャラクター、世界観において多くの違いがあります。ボンバーマンシリーズ、特にファミリーコンピュータ版『ボンバーマン』は本作のゲームスタイルをもとに、全く異なるキャラクターや設定で新しい作品を作り上げました。ここでは、本作特有の特徴をいくつか挙げてみましょう。

まず、主人公が迷路内に閉じ込められた作業服姿の人間であるため、ゲームの世界観やキャラクターはボンバーマンシリーズと異なります。これはビジュアル面でも関連が薄く、全くの別物として設計されているからです。また、プレイヤーの位置が半マス単位で管理されており、爆弾を置く位置が通常のマスとずれるため、爆弾の設置や爆風が半マスずれる現象が発生します。これにより、障害物に対する爆風の影響が独特なものになります。

さらに、ボンバーマンシリーズに登場するパワーアップアイテム、例えば「ファイアー」や「ボムアップ」、「リモコン」などは一切登場しません。プレイヤーは常に固定された状態で、爆弾の数は5つ、火力は最大で2マス分、そして移動速度は若干速い設定になっています。これらの要素により、ゲームプレイのスタイルも異なったものとなっています。

プレイヤーと敵キャラクターは常に爆弾をすり抜けることができるため、敵を爆弾で閉じ込めたり、通行を妨げたりすることは不可能です。また、自分自身を爆弾で囲い込んで動けなくなる状況も避けることができます。ステージクリアは敵をすべて倒すだけで完了し、ドアの使用はただの脱出手段であり、ステージクリアの要因とはなりません。ドアに爆風を当てることもでき、爆風が当たるとドアは消滅してしまいます。

主なスタッフ

このゲームの開発には、田中裕二がプログラムとグラフィックスの両方を担当しています。

関連作品

『三次元ボンバーマン』は、一人称視点の操作が可能な本作の系譜にある作品であり、『ボンバーマン (ファミリーコンピュータ)』は本作を基にアレンジされたもので、ボンバーマンシリーズの第一作目でもあります。このように『爆弾男』は、その後のボンバーマンシリーズにつながる重要な作品として位置づけられています。

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