爾志郡

爾志郡の概要

爾志郡（にしぐん）は、北海道の檜山振興局に属し、現在は乙部町が含まれています。この地域は、1879年に行政区画として誕生しました。2024年9月30日の住民基本台帳によると、郡の人口は3,149人で、面積は162.59平方キロメートル、人口密度は19.4人/km²です。

郡の区域

設立当初の爾志郡の区域は、現在の乙部町に加え、二海[[郡]]の八雲町一部（熊石など）も含まれていました。現在では、乙部町が唯一の町として残っています。

名称の由来

爾志郡の名はアイヌ語に由来するとされることもありますが、特徴的な地名が見当たらないため、松浦武四郎による郡名に関する文書から推測されています。その中に「乙部より熊石、西在八ヶ村と申候」とあり、和名の「西」をあしらって「爾志」と名付けられたと考えられています。

歴史的背景

和人がこの地域に定着し始めたのは室町時代の嘉吉年間に遡るとされ、その後、越後・佐渡・能登からの移住者が増加しました。江戸時代には、爾志郡は和人地として発展し、北前船が熊石に寄港していたことからもその経済的な重要性が伺えます。また、この時期、南の檜山[[郡]]から北の後志や石狩方面へ至る主要な交通路（国道229号の前身）も形成されていました。

特に、延宝5年（1677年）には柏巌和尚によって門昌庵が開かれ、元禄4年には「熊石番所」が設けられ、蝦夷地との往来が管理されました。しかし、寛保元年（1741年）の津波は大きな災害を引き起こし、住民の三分の一が死亡すると推定されるほどの影響を与えました。この津波の記録は熊石の無量寺において保管されています。

近代の変遷

爾志郡は松前藩の領域であり、後に天領に編入され、明治期には様々な行政上の変遷を経験しました。明治12年には爾志郡が正式に設置され、以降も地理・行政の変動が続きました。明治35年（1902年）には、共和町と熊石村という町村が設立され、その後昭和37年に熊石村が町制を施行し、熊石町となりました。

しかし、平成17年（2005年）には熊石町が八雲町と合併し、爾志郡から外れる結果となりました。そのため、現在では乙部町のみが爾志郡に属しています。

地域の特性

爾志郡の地域は、自然に恵まれた環境を背景に、漁業や農業が主な産業となっています。歴史的な背景と地域の特色が融合し、地元の人々の生活に息づいているのです。今後の例えば観光や地域振興といった観点からも、爾志郡の発展が期待されています。

地域の文化や特産品、郷土料理はこの地ならではの魅力であり、多くの訪問者を惹きつける要素となっています。

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