牛村圭

牛村圭氏は、1959年生まれの比較文学者、比較文化学者です。国際日本文化研究センター名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授という肩書をお持ちで、比較文学、比較文化論、文明論を専門とされています。

石川県金沢市で生まれ、新潟市で育ちました。新潟県南魚沼郡六日町立六日町中学校、千葉県立船橋高等学校を経て、1983年に東京大学文学部フランス語フランス文学専修課程を卒業。その後、東京大学大学院総合文化研究科修士課程（比較文学比較文化専攻）を修了し、シカゴ大学大学院博士課程（歴史学・East Asia専攻）を修了されています。

1993年には、東京大学大学院総合文化研究科博士課程（比較文学比較文化専攻）を単位取得退学。2003年に東京大学から博士（学術）の学位を取得されました。

1989年、カナダ・アルバータ大学客員助教授（日本語日本文学）に就任。その後、明星大学専任講師、助教授を経て、国際日本文化研究センター助教授、教授として教鞭を執られました。総合研究大学院大学教授、東京大学教養学部客員教授も兼任されています。

PHP総合研究所「次代を考える・東京座会」委員も務められました。2025年3月末に国際日本文化研究センターを定年退職し、同名誉教授、総合研究大学院大学名誉教授となられました。

2001年には、著書『「文明の裁き」をこえて――対日戦犯裁判読解の試み』で第10回山本七平賞を受賞。2008年には、第2回重光葵賞を受賞されています。

主な著書として、

『「文明の裁き」をこえて――対日戦犯裁判読解の試み』（中央公論新社、2001年／ちくま学芸文庫、2025年6月）
『「勝者の裁き」に向きあって――東京裁判をよみなおす』（ちくま新書、2004年）
『再考「世紀の遺書」と東京裁判――対日戦犯裁判の精神史』（PHP研究所、2004年）
『「戦争責任」論の真実――戦後日本の知的怠慢を断ず』（PHP研究所、2006年）
『ストックホルムの旭日――文明としてのオリンピックと明治日本』（中央公論新社、2021年）

などがあります。これらの著作を通して、戦後日本の思想や文明論について深く考察されています。

共編著・編著として

日暮吉延と対話共著『東京裁判を正しく読む』 文春新書、2008年
編『文明と身体』 臨川書店、2018年
編『戦争と鎮魂』 晃洋書房、2024年

などがあります。

牛村圭氏は、比較文学、比較文化の研究を通して、日本と世界の関わり、文明のあり方について、多角的な視点から考察を続けている、現代日本を代表する知識人の一人と言えるでしょう。

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