牛浦沼

牛浦沼について

牛浦沼（ウポヌプ）は、韓国慶尚南道昌寧郡に位置する湿地群の名称であり、最大の沼でもあります。この地域には木浦、サジ浦、チョクチボルなどの湿地も含まれ、ハルラ山の近くに広がっています。牛浦沼は、遊漁面、梨房面、大合面の三つは公的に指定された区域になっており、その広さは全域で約2.13平方キロメートルと、韓国最大の湿地の一つとされています。さらに、この沼はラムサール条約に登録された湿地でもあります。

生息する動植物

牛浦沼は多様な生物が生息する場所として知られており、特に340種類を超える絶滅危惧種が観察されています。この中には、168種の植物、62種の鳥類、55種の節足動物、28種の魚類、12種の哺乳類、7種の爬虫類、5種の軟体動物が含まれます。特に、オニバス（Euryale ferox）や、貴重な鳥類のクロツラヘラサギはこの地域のシンボルとなっています。また、マナヅルやヒシクイなどの渡り鳥にとっての中継地や越冬地としても重要な役割を果たしています。

環境保護と観光

1997年以降、牛浦沼の大部分は保護されており、一部は環境公園として整備されています。このエリアでは、農業や漁業が依然として行われていますが、エコツーリズムが盛んな後でも、「沼を保護する」という意識に対して地元住民の反発が残っています。

昌寧郡では観察者の利便性を考慮して、ビジターセンターや観察所が沼の近くに整備され、来訪者が自然を楽しむことができるようになっています。さらには、解説センターも設けられており、湿地の生態系や観察対象について詳しく学ぶことができます。

トキの再導入

2019年には、トキの個体が40羽放鳥され、種の再導入が試みられました。この活動は、牛浦沼の生物多様性を増すための重要なステップと考えられています。

牛浦沼は、自然環境の保護と地域の生物多様性の向上を目指す重要な場所であり、訪れる人々に多くの魅力を提供している環境です。今後もこの貴重な自然を保護し、世代を超えて楽しむための活動が求められています。

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