牧の原トンネル

牧の原トンネル概要

牧の原トンネル（まきのはらトンネル）は、静岡県島田市に位置する国道1号島田金谷バイパスのトンネル群の一部であり、さらに東海道本線や東海道新幹線のトンネルも含まれています。このトンネル群は、地域の交通の要所として重要な役割を果たしています。

国道1号島田金谷バイパス

国道1号島田金谷バイパスには、牧の原第一トンネル（全長196 m）、第二トンネル（全長311 m）、第三トンネル（全長511 m）の3つのトンネルが連続しています。これらのトンネルは、東海道本線とも接続されており、地域の人々に便利な交通手段を提供しています。特に、第三トンネルは牧之原台地の切割峠付近を通過し、旧道である静岡県道381号島田岡部線の下を貫通しています。このバイパスは1971年1月に供用が開始され、現在も多くの車両が通行しています。

東海道本線の歴史

東海道本線は、明治中期に建設されました。当時、旧東海道の日坂宿の前後の区間は急勾配となるため、地上を通すことが困難であり、トンネルの建設も当時の土木技術では難しいものでした。そのため、いくつかの迂回ルートが検討されましたが、最終的には金谷から南西方向に伸びる牧の原トンネルが採用されました。これにより、煉瓦積みの坑口を持つ単線規格のトンネルが掘削され、1889年4月16日に開通しました。この開通により、静岡駅と浜松駅の線路が接続され、東海道本線は全通しました。

トンネルの発展

その後、輸送力を強化するために、1903年に下り線用のトンネルが掘削され、複線化されました。さらに1975年には新しい牧の原トンネルが開通し、下り線としての利用が始まりました。1977年には旧トンネルの改修が行われ、新上り線として使用されていますが、初代のトンネルは廃止され、その坑口は今も残っています。このように、牧の原トンネルの歴史は、地域の交通網の進化とともに歩んできたものです。

新幹線と事故

さらに、牧の原トンネルは東海道新幹線の一部でもあります。このトンネルは全長2,917 mで、複線規格となっています。2007年3月24日には、のぞみ155号の通過中に重大な事件が発生しました。乗客の男性が非常用ドアコックを操作し、ドアを開けて飛び降り自殺するという痛ましい事例がありました。この影響で全列車がストップし、多くの乗客に混乱をもたらしました。

結論

牧の原トンネルは、静岡県の重要な交通路として、歴史的にも技術的にも多くの意味を持つ地点です。国道と鉄道の複数のトンネルが組み合わさることで、地域の発展に寄与しており、今後もその重要性は変わらないでしょう。

もう一度検索