牧野忠成 (越後長岡藩二代)

牧野 忠成（まきの ただなり）

江戸時代前期に活躍した大名、牧野忠成は、越後国長岡藩の第2代藩主として知られています。彼は祖父と同名であったため、後に長岡では「後忠成公」として親しまれることになります。ここでは、彼の生涯や藩主としての経歴、そして家族について詳しく見ていきましょう。

生涯

牧野忠成は寛永12年（1635年）、牧野光成の嫡男として生を受けました。幼名は老之助で、初名は忠盛でしたが、父親が早世したため、彼はわずか3歳で祖父の後を継ぐ形で家督を相続しました。5歳の時には、江戸城に登城し、3代将軍家光に初めて会う機会を得ました。

17歳になると、従五位下・飛騨守に叙任され、その後は29歳で祖父の遺領を相続する運びとなります。彼の襲封には一悶着があり、叔父たちが相続権を主張するなどの経緯がありましたが、最終的には将軍家綱の裁定により、老之助の名代が証明され、彼は名実ともに藩主となりました。

その後、明暦の大火を受けて江戸城の修理を担当し、事故や災害にも対応する敏腕を発揮しました。しかし、彼の人生は長くは続かず、延宝2年（1674年）の40歳で亡くなります。彼は江戸に位置する周光寺に埋葬され、後に別の場所へ改葬されています。

藩主継承の経緯

初代藩主である忠成の本来の嫡子であった牧野光成が24歳という若さで亡くなったため、彼はわずか3歳で相続を余儀なくされました。しかし、光成の弟たちが相続権を主張したことで長岡藩では家督を巡る騒動が発生しました。この問題は藩内では解決が難しく、最終的には幕府への訴訟を経て、将軍の裁定が下されることになりました。

御前では、老之助の名代と彼の叔父たちが対峙する形で証拠品を示し合う一幕が展開され、将軍家綱の言葉が裁定の決め手となりました。この裁決により、老之助は正式に後継者として認められることとなります。

家族

牧野忠成の父は牧野光成、母は本多俊次の娘です。彼には正室と継室があり、それぞれ異なる家族関係を築いていました。正室の娘は牧野康成の娘、そして継室は牧野定成の養女であり、花輪宗親の娘でもあります。

忠成には長男の牧野忠辰がいますが、他にも早世した鶴千代や安藤信友の正室となる子女がいました。彼の家系は、時代を超えて続いており、江戸時代の貴族社会においても重要な役割を果たしていました。

まとめ

牧野忠成は、幼少期から運命的な状況に身を置きつつも、自らの能力を駆使して藩主の地位を確保しました。彼の生涯は短かったものの、家族との絆や藩政への貢献は評価されています。長岡藩の歴史の中に彼の名は重要な位置を占めており、今でも多くの人々に記憶されています。

もう一度検索