牧野統

牧野統（まきの おさむ、1917年6月8日 - 1972年）は、日本の音楽教育者、作曲家として知られています。彼は、音楽教育の分野で多大な貢献をし、特に合唱指導においては、その手腕を発揮しました。また、数多くの合唱曲や校歌を作曲し、音楽文化の発展に寄与しました。

人物

牧野統は、声楽家で合唱指揮者である牧野美紀子を娘に持ちます。また、作曲家で指揮者の荻久保和明など、多くの音楽家や音楽指導者を育成しました。彼の指導を受けた門下生たちは、音楽界の様々な分野で活躍しています。

略歴

牧野統は、樺太（現在のサハリン）で生まれました。1942年4月、東京音楽学校（現在の東京藝術大学音楽学部）の甲種師範科（4年制）に入学し、下総皖一と萩原英一に師事しました。1945年に同校を卒業後、北海道庁立苫小牧高等女学校の教諭として教鞭を執りました。その後、1947年には北海道庁立札幌高等女学校に移り、音楽教育に携わりました。

1951年、牧野統は埼玉県立川越高等学校の教諭となり、同校音楽部の顧問として活躍しました。彼の指導の下、川越高校音楽部は目覚ましい成果を上げ、第31回（1964年）NHK全国学校音楽コンクールで全国優勝、第32回（1965年）で準優勝を果たすという快挙を成し遂げました。さらに、1964年から1968年まで、同コンクールにおいて5年連続で全国大会に出場するという記録も残しました。

1954年には、NHK全国学校音楽コンクール高等学校の部課題曲として「未来の星」を作曲し、1956年には小学校の部課題曲「わかいおじさん」を作曲しました。これらの楽曲は、現在も多くの人々に親しまれています。

主な作品

牧野統は、合唱曲を中心に多くの作品を作曲しました。

乳母車
甲斐より
野ばら
フィナーレレクイエム
未来の星
無言歌
雪が花びらのように
雪の街
わかいおじさん

また、数多くの学校の校歌も作曲しました。以下はその一部です。

北海道苫小牧市立緑小学校校歌
埼玉県立春日部工業高等学校校歌
埼玉県立盲学校校歌
川越市立芳野小学校校歌
川越市立高階小学校校歌
日高市立高萩小学校校歌
坂戸市立勝呂小学校校歌
狭山市立奥富小学校校歌
富士見市立南畑小学校校歌
毛呂山町立毛呂山小学校校歌
毛呂山町立川角小学校校歌
北海道苫小牧市立苫小牧東中学校校歌
稚内市立稚内中学校校歌
嵐山町立菅谷中学校校歌
川越地労協の歌
川越市立月越小学校[校歌]

出版

牧野統の作品は、音楽之友社から多数出版されています。代表的な出版物としては以下のようなものがあります。

雨の降る夜は
未来の星
わかいおじさん
Carry Me Back to Old Virginny～懐かしきヴァージニア
牧野統作品集：混声・男声合唱曲

参考文献

「牧野 統」『音楽年鑑 昭和45年版』音楽之友社、1970年、57頁。NDLJP:2526523。
北海道新聞社 編「牧野統」『北海道歴史人物事典』北海道新聞社、1993年、341頁。

牧野統は、音楽教育と作曲の両面で、日本の音楽文化に多大な貢献をした人物として、今後もその功績が語り継がれていくでしょう。

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