牧野誠成

牧野 誠成（まきの たかしげ）の生涯

牧野誠成は、丹後国田辺藩の第9代藩主として知られています。1832年5月19日に、第8代藩主である牧野節成の長男として出生しました。若き日に家督を継いだ誠成は、藩のために数々の功績を残しています。

幕府との関わり

1852年に父が病気により隠居した際、誠成はわずか20歳で藩主となり、様々な任務に従事しました。彼は1855年に大坂加番に任命され、その後1864年には二条城の警備が任されました。この年の7月には禁門の変に参加し、幕府の側で御所の防衛にあたりました。さらに、同年8月に行われた第一次長州征討では、14代将軍・徳川家茂の警護も担いました。これらの功績により、1864年9月には奏者番に任命され、風格ある藩主として認識されることとなります。

病との闘い

しかし、誠成の藩主としての道のりは順風満帆ではありませんでした。1866年の第二次長州征討の際、彼は丹後近海の海防を理由に本国待機を命じられます。この頃から健康状態が悪化し、1868年の戊辰戦争では新政府に従属する一方、自身の健康問題も影響し、戦に参加することはできませんでした。

最期と後継

1869年3月5日、誠成は田辺で38歳の若さでこの世を去ります。次男である牧野弼成が後を継ぎ、藩の歴史を引き継ぐこととなりました。

開国論者としての姿勢

誠成は開国を支持する開明的な考え方を持つ藩主とされており、藩政においても多くの改革を進めました。特に砲台の建設や藩校の増改築に尽力し、学問の振興に力を入れました。

また、彼は能書家としても知られ、その才能は多くの人々に評価されたと言われています。これらの努力が、藩の発展にどれほど寄与したかは計り知れません。

家族構成

誠成の家族についても触れましょう。父は前藩主の牧野節成、母はサダ（貞）、観光院で、青山忠裕の養女です。正室にはシゲ（桂芳院）がいて、彼女は九鬼隆徳の娘です。

誠成の長男である牧野弼成は、彼の死後に藩主としての役割を引き継ぎました。また、誠成の家系には他にも、波子（松平宗武の正室）や美能子（松平信好の正室）といった女子が存在し、彼の家族は広がりを持っていました。

このように、牧野誠成の生涯は、藩主としての責務を果たしながらも病と闘い、開国の思想を持ってさまざまな改革に寄与したものとして、丹後国田辺藩の歴史に刻まれています。

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