特殊戦術小隊

香港警察 特殊戦術小隊（STC）について

香港警察の機動部隊に所属する特殊戦術小隊（Special Tactical Contingent, STC）は、通称「速龍小隊」（Raptors）としても知られる、準軍事的な臨時編成部隊です。この部隊は、反乱勢力への近接戦闘に特化しており、高度な訓練を受けた警察官によって構成されています。

部隊の編成

STCは、機動部隊や「衝鋒隊」の隊員だけでなく、空港警備を担当する機場特警組（ASU）、特殊任務連（SDT）、反恐特勤隊（CTRU）といった特殊部隊からも選抜されたメンバーによって構成されています。これにより、様々な専門知識と技能を持つ隊員が結集し、複雑な状況にも対応できる能力を備えています。

主な活動

STCは、2014年の香港反政府デモ（雨傘運動）や、2019年の逃亡犯条例改正案をめぐるデモにおいて、独立派の市民への対応に投入されました。これらのデモでは、警棒や催涙弾などの装備を用いて鎮圧に当たりましたが、その過剰な武力行使が批判を浴び、社会的な議論を呼び起こしました。

装備

STCの隊員は、近接戦闘や群衆鎮圧に必要な様々な装備を携行しています。以下に主な装備を列挙します。

個人装備

特殊警棒：近接戦闘で使用される標準的な装備です。
携帯用催涙スプレー：群衆を一時的に制圧するために使用されます。
催涙手榴弾：広範囲に催涙ガスを拡散させるための武器です。イギリス製と中国製のものが使用されています。
ガスマスク：催涙ガスから身を守るための必需品です。
救急キット：負傷した際の応急処置に使用します。
ケーブルタイ：拘束具として使用されます。

銃器

S&W M10HB：警察官が一般的に使用するリボルバーです。
グロック17：特殊部隊員が所持する自動拳銃です。
レミントンM870：ショットガンで、近距離での制圧に使用されます。
H&K MP5：特殊部隊員が所持するサブマシンガンで、近接戦闘に用いられます。
M16自動小銃：アサルトライフルで、中距離での戦闘に使用されます。
シグSG516：特殊部隊員が使用するアサルトライフルです。
37mm/38mmフェデラル・ライオットガン: 群衆鎮圧用のショットガンです。
Penn Arms GL-1 Compact スポンジ・グレネードランチャー: 殺傷能力の低いスポンジ弾を発射するランチャーです。
B&T GL-06: グレネードランチャーの一種です。
M320 グレネードランチャー: より強力なグレネードを発射できるランチャーです。
Pepperball VKS ペッパーボール・ガン：ペッパーボール弾を発射する銃で、非致死性の制圧に使用されます。

関連項目

STCに関連する組織や活動には、以下のものがあります。

SDU (Special Duties Unit)：香港警察の特殊部隊。
* 戦闘警察：暴動やデモに対処する警察部隊。

まとめ

香港警察の特殊戦術小隊（STC）は、高度な訓練を受けた警察官によって構成される精鋭部隊であり、反乱やデモ鎮圧に重要な役割を果たしています。しかし、その活動においては過剰な武力行使が問題視されており、今後の活動において、より慎重な対応が求められています。

この記述が、STCに関する理解を深める一助となれば幸いです。

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